島原半島
長崎県・島原半島の美味しいお取り寄せ5選
活火山である雲仙火山を中心とする山々と澄み渡る海、そして温泉の恵みをたっぷりと有する長崎県南東部に位置する島原半島。「人と火山が共生する大地」として、2009年には日本で初めてユネスコ世界ジオパークにも認定。約430万年前からの火山活動が織りなす独特の地形を誇る半島には、島原城や武家屋敷など旧城下町の風情あふれる街並みが残るのも大きな魅力。今回はこの地域の数ある特産品のなかから、「半島は日本の台所」編集部が自信をもって5品を厳選! 地元出身の長崎文化放送アナウンサー・佐藤綾子さんに島原半島をたっぷりレポートしてもらいます。
長崎県・島原半島はわたしがナビゲートします!
PROFILE
佐藤綾子さん/長崎文化放送
1990年生まれ。長崎県雲仙市国見町出身。2014年に長崎文化放送(テレビ朝日系列)入社。NCCスーパーJチャンネル長崎キャスターを務め、県内の魅力を日々幅広くレポート中。趣味は朝のモチベーションを上げてくれるという靴磨き。好きな食べ物は干し芋、砂肝、鶏皮ポン酢…というちょっぴり渋好み。Instagramアカウントは@satoaya_ncc
発表!島原半島のおすすめ特産品5選
美味しいのはもちろん〝映え〟まで叶うチョコレートケーキから、昔ながらの懐かしい味わいのお菓子や心まで染みわたるような体に優しいドリンクまで、バリエーション豊かに島原半島の特産品をセレクト。実際にすべて試食してもらった佐藤アナウンサーのコメントも、ぜひ参考にしてみてくださいね!
長崎石畳ショコラ/ネオクラシック クローバー
島原半島のシンボルともいえる雲仙岳のふもとに佇むお菓子屋さん「ネオクラシック クローバー」のチョコレートケーキは、全国からお取り寄せオーダーが絶えない、長崎を代表する銘菓。日本中から選りすぐりの銘菓が揃う第4回ニッポン全国おやつランキング(2013年)ではグランプリを獲得、その後、全国区のテレビ番組や雑誌などのメディアでも紹介され絶賛された実績も。
洋菓子のはじまりの地ともいわれる長崎の石畳をイメージしたケーキの味わいは、濃厚でありながらも甘さが上品で後を引くおいしさ。ベルギー産ミルクチョコをはじめ、純正クリーム、カカオスポンジ、バニラスポンジを8層に重ね合わせ、生チョコでコーティングし、さらにカカオをあしらったスペシャル仕様。石畳をイメージした〝映える〟断面も魅力です。
「小さい頃、誕生日といえばここクローバーのケーキが定番で、子供のころから本当に大好きでした。長崎のオランダ坂をイメージした8層のケーキは、異国情緒溢れる歴史を刻む〝石畳〟というネーミングや、重厚感ある見た目も特徴的。いざフォークを刺すと、とにかくふわふわ軽やかで、そのギャップにもやられます! 口どけのいいコーティングの生チョコ、重なり合うクリームに2色のスポンジ、そしてチョコレート…口の中でとろけながら絶妙に混ざり合う食感は唯一無二。チョコレート好きにはたまらない逸品です」(佐藤さん)
純一枚手焼き湯せんぺい/遠江屋本舗
「湯せんぺい」は明治初期、まだ島原城にお殿様がいた時代に、温泉好きのお殿様に献上する菓子として作られたのが起源だそう。温泉水を活用した煎餅が名物の温泉街は日本各地にあるけれど、遠江屋本舗は素材選びや製造法をこだわり抜き、感触や風味がどこよりも上手!
厳選した九州産小麦に、活火山である普賢岳の温泉水は塩加減が程よい食塩泉をチョイス。さらに卵、砂糖、重曹を加えて練り上げてから、一丁3キロもある金型に生地を流し入れて、熟練の職人による手作業で一枚一枚丁寧に焼き上げていきます。サクサク香ばしく軽やかでほんのりとした甘さに癒される「湯せんぺい」は、古くから胃腸病にもいいとの言い伝えが。何枚食べても食べ飽きない魔法のようなお菓子、ぜひ一度ご賞味ください!
「雲仙市小浜街の温泉街の名物と言えばコレ! 優しい甘みとサクッとした軽い食感が特徴的。母の実家が雲仙なので小さい頃からよく食べていたおやつのひとつですが、かけらを口に入れてふやかして口いっぱいに素朴な甘みを広げて食べるのが好きでした♪ 特に遠江屋本舗さんの1枚焼きの金型で焼き上げたこの湯せんぺいは格別なおいしさ。最近知った〝シガーロール〟は、焼き上げた直後にせんぺいが固まる前に筒状に丸めたもので、一見葉巻のようにごついですが食感が軽いのでバリボリ食べられて新食感のおいしさでした♪」(佐藤さん)
島原かんざらし/玉乃舎
「島原名物〝かんざらし〟を全国に広めたい! 島原の魅力をお伝えしたい」という店主の熱い思いが形に。島原で100年以上愛される「かんざらし」は、みずみずしくモチモチした食感のお団子を上品な蜜とともに食す、名水百選のまち雲仙島原ならではの素朴な甘味。お団子が硬くなってしまうと、本来の食感が損なわれるので、もともとは現地でしか食べられなかった「かんざらし」。長崎県の工業技術センターとの共同開発により、真空パックで常温保存可能な商品ができあがり、発売当初から大きな話題に。お団子のモチモチ感はもとより、特筆したいのは一滴たりとも残さず飲み干したくなる甘すぎない蜜シロップ。食べるたびに自然と笑顔になれる、老若男女に愛されるスイーツです。
「高校時代、学校帰りの夏の日暮れに買って食べていた思い出の甘味。シンプルな甘さでまさに素朴…、ノスタルジックな気持ちになること間違いなし。真空パックされたお団子はつるつるモチモチで、まるで作りたてのよう! 噛むと甘いシロップがじんわり口の中に染みわたります。シロップだけ冷蔵庫でキンキンに冷やしておくのもおすすめ。かんざらしで涼を味わう島原の夏をいつでも感じられます」(佐藤さん)
五三焼きプリン/須崎屋
「五三焼き」とは、全卵にさらに卵黄だけを加えてコクを深くするカステラの総称です。須崎屋では4種の甘みで、濃厚でありながら上品な後味を実現。その製造工程には職人の勘所が必要とされ、経験と高い技術が求められるのだとか。そんな「五三焼き」にこだわり続ける創業150年以上の長崎の老舗カステラ屋が手掛ける〝本気〟のプリンがこちら!
雲仙の温暖な気候のなか、おいしい飼料を食べて育った鶏の「雲仙太陽卵」、日本が誇る高級砂糖「阿波和三盆」、そして九州の雄大な自然で育った乳牛から絞った牛乳などの厳選素材を使用。低温で2時間じっくりと焼き上げたプリンは、五三焼きカステラを思わせるザラッとした食感と濃厚な風味が特徴。一度食べたらクセになる、プリン好きならずとも必食のおいしさです。
「高級感のある見た目に、思わず正座してしまったほど(笑)。五三焼きといえば長崎では上質なカステラのイメージ。それをプリンで味わえるとは…! 創業150年を超える老舗カステラ店の並みならぬこだわりと挑戦を、食べる前から感じました。口に運ぶとちょっとザラッとした独特の食感。島原半島の温暖な気候で育った鶏の卵は味が濃く、滋味深さすら感じます。じっくり味わいながらいただきたいご褒美スイーツ」(佐藤さん)
百年甘酒/吉田屋
アミノ酸たっぷりの「飲む点滴」として近年人気が高まっている甘酒。中でもこの「百年甘酒」はこれまでの甘酒の概念を覆すほど、自然な甘みと風味、旨味の絶妙な三重奏が楽しめる隠れた名品。「健やかな日々のために飲み続けたい」という以上に、「美味しくてほっこりするから今日も飲みたい!」気持ちが洪水のようにあふれ出るから不思議。
南島原市で100年以上こだわりのお酒を製造してきた吉田屋が、もともとは地域の方々へおすそ分けしていたものを、リクエストの声が多く、満を持して商品化。米麹と水のみで作られた、まじりっけのない無添加発酵食品です。甘酒といっても、ノンアルコールで喉ごしさらりと飲みやすく、甘すぎない自然な味わいが魅力。麹のツブツブ感が残っているので食べ応えもあり、朝ごはん代わりにも◎。そのまま飲むのはもちろん、ヨーグルトに添えたり、スムージーやジュースに混ぜたり、アレンジもぜひ楽しんでみてください!
「噛まずに飲み込めるほど柔らかくなった米麹の粒がたっぷり入っていて、少しとろっとしていますが喉ごしがよく、後味もすっきりした甘酒。コップに入れて飲んでもいいですし、底が浅い器に入れてスプーンで粒の食感を楽しみながらスープのように食べるのも楽しいです。作り手さんにおすすめされ、1日のはじまりの朝に毎日飲んでいます!」(佐藤さん)
百年甘酒の美味しさの理由を現地取材してきました→次のページへ
- 長崎県島原半島についてもっと知りたい!
- ・開山1300年”半島のシンボル”で心もカラダもすっきり!
- 「雲仙デトックス」
- ・コラーゲン入りの雲仙市認定“茶豆味”が不動のエース
- 見た目も楽しい「生クリーム大福」
- ・家族経営の農園で”お母さん”が手作り
- 「トマトジャム&バジルペースト」
- ・幸せの黄色いハンカチに天の川、そして普賢岳
- 「技あり! オーシャンビュー」
- ・地元農産物にひらめき! “長崎銘菓”を更新
- 「手のひらカステラ」
- ・地元の濃厚卵を練り込んだ“黄身あん”がこだわり
- 「あんころ柿」
撮影/山本雄生 取材・文/門司紀子