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薩摩半島

ここがイチオシ!
薩摩半島

atelierAにしか作れない

唯一無二の〝和洋スイーツ〟を鹿児島・湯之元から

従来のおはぎのイメージを一新したatelierAの「モダンOHAGI」。オーナーの里之園さんは〝絞り〟の技術を生かしたオリジナリティー溢れる手作りのお菓子を生み出しています。一人でお店を切り盛りしているため商品販売はオンライン中心ですが、土日営業の店頭では旬の地元フルーツを使ったドリンクやパフェなどの限定メニューも評判です。加えて、アイシングクッキーや餡フラワーケーキ作りのレッスンも開講しており、その技術を伝えています。
MBC南日本放送の森 万由子アナウンサーが、atelierAのレッスンを体験しました。

     

【INDEX】
森アナウンサーが挑戦 atelierAのお花づくり

  ―続いて、2周目へ
  ―ついに完成!
NYでの出会いがきっかけ 教職を辞めて始まったatelierAの歩み

  ―店舗限定ドリンク&パフェをいただきながら、お話を伺います
鹿児島県食材でつくる〝花〟スイーツは「モダンOHAGI」以外にも

森アナウンサーが挑戦 atelierAのお花づくり

森さんが餡フラワー作りに初挑戦

atelierAの商品モチーフとなっている〝花〟。その花を絞る技法は、韓国発祥の餡フラワーケーキが原点です。そもそもフラワーケーキとは、欧米で生まれたお菓子でバタークリームパイピングという技術を用いてデコレーションしたケーキのこと。それが韓国に広まり、原材料がバタークリームではなく餡になったのが餡フラワーケーキのはじまりです。里之園さんは本場韓国でこの技術を学び、資格を取得。その腕前は折り紙付きです。「餡を絞るのは初めて」という森アナウンサーに、初心者向けのガーベラ作りレッスンを受けてもらいました。

まずは里之園さんのお手本からスタート。利き手で絞りを、もう片方の手でケーキを持ち、花びらひとつひとつを円を描くように作っていきます。比較的、作りやすいというガーベラですが、花びらひとつひとつが均等な大きさになるように気をつける必要があるのだとか。森さんが、いざチャレンジ!

森さん:緊張します(笑)。絞り袋を持ってみた感じですが、想像していたよりも随分硬いですよ! これは腕が疲れますね。

里之園さん:生クリームとは違いますよね。これをグッと力を入れて絞り出していきます。

森さん力を入れ続けないと花びらが切れてしまいますね。すごく難しい。

里之園さん:花びらを描くときに外側がもっと開くようにしましょうか。そして、次の花びらに移るときは、先に作った花びらに重ならないように注意しましょう。

里之園さんが一瞬で仕上げた花びら1周の餡絞り、初挑戦の森さんは2分程で完了。単純そうに見えて、色々なことを同時に考えて絞らないといけないこと、力が必要なため腕や手が疲れることに驚いた様子です。

―続いて、2周目へ

2周目は少し力を抜いて、花びらの内側に花びらを重ねていきます。完成形をイメージして、バランスを取りながら作ると失敗しないそう。本物の花と同じように、1周目の外側に比べて、内側にいくほど花びらを小さくしていきます。カップケーキの生地が見えないように絞るのも、美しい花に見せるポイント。

森さん 力の入れ加減が難しいですね。力を抜くと花びらがギザギザになって切れてしまいそうになります。1周目の花を大きく作っておかないと2周目に変化がつかないというのもやってみるとわかります。

最後の花びらを絞り出した森さんから「ふーっ」と安堵の息が

森さん:2周目まで作ってみましたが、意外と可愛くできた気がします!

里之園さん:そうですね。ただ、花びらはもっと広げて寝かせたほうが綺麗になりますね。あと、ここに隙間があるじゃないですか? これはダメです。あとは、この花びらはカーブがキツすぎて…

森さん:すみません!全然できていませんでした(笑)。でも、これくらい厳しくしていただけると、上手になれそうな気がします。

里之園さん:私もつい夢中になって指導に熱がこもってしまいました(笑)。

最後に、中心に餡を点状に絞り出し、花の葯(やく)を作れば完成です。書道で「の」の字を書くときの払いのイメージで、絞ったら力を抜いて引き上げ、横に払います。

森さん:これも一瞬のうちに様々な工程をしなければいけませんね。ではやってみます。…どうですか?

里之園さん:う〜ん。いいんですけど、バランスがもっと、こう…

森さん:先生、厳しいです!(笑)

―ついに完成!

左が森さんの完成品。右が里之園さんのお手本

森さん:こうして比べてみると、花びらの厚さや大きさが私の方は全然均一でないし、手元が震えてしまったせいか、全体にギザギザしてしまっています。もっと練習が必要だなと思いました。

里之園さん:餡は、袋に戻せば何度でも練習できるので、生徒さんたちは何度も繰り返し練習して上達していっています。レッスンの最終段階では、習ってきた技術を生かして自由制作をしていただくんですよ。デザインを考えてデッサンして、ケーキの形にしていく。花の絞り方だけではなく、アイデアの出し方までお教えすることで、家庭でも挑戦してみようという意欲に結びつくんです。

森さん餡フラワー作りは体力も必要ですし、奥が深いですね。実際に作る難しさを知るとそのありがたみがわかって、モダンOHAGIを食べるのがさらにもったいなくなりますね。

NYでの出会いがきっかけ 教職を辞めて始まったatelierAの歩み

お店の前で店舗限定メニューを味わいながら

他では見られないatelierAの商品の数々。オーナー・里之園さんは、オリジナルデザインの美しいスイーツをどのような経緯で販売するに至ったのか。森アナウンサーがインタビューしました。

―店舗限定ドリンク&パフェをいただきながら、お話を伺います
「何度でも足を運んで食べたくなるパフェですね」と森さん

店舗でしか味わえない、旬の地元フルーツを使った季節限定メニューもatelierAの人気商品。森アナウンサーと訪れた9月上旬に提供されていた、みかんのドリンクとぶどうのパフェをいただきました。

  • 【日置市・室屋農園の黄色いみかん100%のみかんスカッシュ】
  • 地元の特産品である黄蜜柑(きみかん)をサイダーで割ったスカッシュ。黄蜜柑の果実(収穫時期によっては早生みかんを使用)とバラの飴細工が乗せてあり、思わず写真を撮りたくなる可愛らしいドリンクです。

    【日置市・大庭ぶどう農園のマスカサーティーンのパフェ】
  • シャインマスカット13号とロベリオロッソを交配させた新品種ぶどう「マスカサーティーン」を使用。シャインマスカットに比べ皮が薄く、果肉をしっかり味わえるのがその魅力。スポンジケーキと手作りカスタードの土台に、自家製ヨーグルトとマスカサーティーンを重ね、ホイップクリームで作ったバラを乗せたパフェです。

     

今や県内外から催事出店の依頼が絶えないaterlierAですが、事業を始めた当初は「お菓子を製造販売することなんて想像していなかった」と里之園さんは話します。

森さん:aterlierAは最初アイシングクッキーの教室として始まったとお聞きしました。里之園さんはお菓子の専門家ではなかったんですね。

里之園さん:もともとは、音楽大学を卒業して、高校の音楽科の教員だったんですよ。教職を辞めて一息つこうとニューヨークを旅行したときに出会ったのが、美術品のようにデコレーションされたお菓子の数々でした。鹿児島では見たことのないお菓子に感動して、独学で始めたのがアイシングクッキーだったんです。作ったお菓子の写真をフェイスブックにアップしたら「私にも教えてください」という連絡が次々にきて…。それから、私自身も本格的にアイシングの技術を学んで、教室を始めることになりました。

里之園さんが元は音楽の教員と聞き、森さんも驚き

森さん:教員をされていたから、あんなにレッスンがわかりやすかったんですね。アイシングの教室から、スイーツ店を開く経緯はどのような流れからですか?

里之園さん:きっかけは2つありまして、ひとつめは2015年に桜島の新しいお土産シリーズ「ジオの恵み」の制作に参加したこと。「溶岩ブラウニー」という商品に携わったのですが、ここで商品開発を経験したことや、販売資格を取得したことがのちのお店作りに活きました。もうひとつは、鹿児島中央駅のアミュプラザでおこなわれたバレンタインイベント「ちょこぱく」(チョコレート博覧会)にお誘いいただいたことです。

森さん:ちょこぱくでは、初めてながら1週間で1000個の商品を完売したそうですね

里之園さん:「そんな大規模なこと私一人にはできない」と思ったのですが、教室の生徒さんたちがお手伝いしてくれたおかげで、なんとか出店することができました。それが実績になって、ハウステンボスのバラ祭などの九州の催事にも出店するようになったんです。

当時のことを楽しそうにお話くださる里之園さん

教室をメインに活動していた里之園さん。状況が一転したのが、新型コロナウイルスの流行でした。対面でのレッスンができなくなった頃、東京にあるお菓子専門のECサイト運営会社から連絡が入ったことが、お店として展開していく3つ目のきっかけとなります。

森さん:どんな化学反応が起こったんですか?

里之園さん:いちばん大きかったのは、東京のトレンドスイーツの情報が定期的に手に入るようになったこと。流行のスイーツを自分流にアレンジできないかと考えるようになりました。また、東京という他地域の情報に触れることで、鹿児島県の独自性を知ることもできました。「薩摩半島は食材が豊富にある」ということを改めて認識したんです。地元食材を生かしたお菓子作りはここから始まりました。

森さん:東京のトレンド情報と地元の食材を組み合わせた結果「モダンOHAGI」「花フルーツ大福」が誕生したんですね。

丁寧に想いを込めてモダンOHAGIは作られている

薩摩半島、そして鹿児島県の地元食材を取り入れた商品づくりをスタートした里之園さん。生産者とのコネクションが全く無かったため、とりあえず地元の商工会に電話をしてみたのだそう。

里之園さん:商工会から観光協会に繋がって、いろんな農家さんを紹介していただけることになったんです。観光協会の方にも悩みがあって「せっかく身近に美味しい食材があっても、大体が地元や道の駅だけの販売で終わってしまっている」という課題意識があったようです。そういう素材を使って鹿児島らしい商品を出せたらと思うようになりました。

森さん:行動力がすごいですね! モダンOHAGIに使う素材はどうやって決めていったんですか?

里之園さん:まずは、おはぎに合いそうな素材を思いつくままにノートに書き出して、そうした素材が地元にあるのかを調べました。使える食材はなんでも生かしたいということで、自家菜園しているさつまいもも使用しています。集めた素材でおはぎを試作して美味しいと思ったものを最終的に商品化しました。

森さん:試してみて、難しかった食材もあるということですね?

里之園さん焼酎粕のおはぎを作ろうとしたのですが、それは断念しましたね。栄養素はたくさん含まれているんですけど、どうしても臭みが強くて(笑)

森さん:趣味のアイシングクッキー作りから始まって、数年でスイーツ店の経営まで発展するなんてすごくドラマチックなお話です。里之園さんの行動力の賜物ですよね。今後はどのような展開を考えていますか?

鹿児島食材を生かしたモダンOHAGI

里之園さん:おはぎに関しては、フレーバーを増やしていけたらと思っています。柚子や生姜、クリームチーズなども鹿児島産のものがあるので、試してみたいという気持ちがありますね。

森さん:すごく美味しそうです!モダンOHAGIは鹿児島県自慢のお菓子と胸を張って言えるお菓子なので、是非みなさんに味わっていただきたいですね。atelierAさんをきっかけに、鹿児島県の素晴らしさを県内外問わず、より多くの方に知っていただけたら嬉しいです。

里之園さん:そう言っていただけると、とても嬉しいです。最近は大阪など県外の催事にお声がかかることも増えて、全国各地からお問い合わせが増えました。海外からもお菓子の販売やレッスンの相談がくるほどに注目してもらえているのはありがたいですし、励みになっています。これからも、鹿児島の美味しい食材にこだわって、この地域の魅力を発信していけたらと思います。

鹿児島県食材でつくる〝花〟スイーツは「モダンOHAGI」以外にも

atelierAには、モダンOHAGIのほかにも、鹿児島銘菓のかるかんをアップデートした「華かるかん」や芳醇なフルーツを包み込んだ「花フルーツ大福」、オーダーメイドで作られる世界にひとつだけの「フラワーケーキ」など、里之園さんが生み出したオリジナルデザインの“花”スイーツが豊富に取り揃えられています。

「華かるかん」(写真1枚目)は、鹿児島の伝統菓子かるかんを“和菓子が苦手な方にも楽しんでもらえるように”と開発された商品。旬の地元産フルーツなどを練り込んだ餡を花の形に飾り付け、華やかにアレンジしています。現在は、和テイストの3種はいちご、きんかん、さつまいも、洋テイストは1種でキャラメルバタークリームのフレーバーです。中には生クリームもたっぷり入っていて、しっとりしたかるかんと相性抜群です。

こんなフルーツ大福、見たことない!と驚く「花フルーツ大福」(写真2枚目)は、2021年に指宿白水館で開催された将棋の白玲戦で〝おやつ〟に選ばれた話題の逸品。糖度の高いいちご餡×いちご。渋みと甘みのバランスが絶妙な知覧茶餡×シャインマスカット。ほっこりとした芋の素朴な味わいが楽しめる、香ばしいほうじ茶餡×紅はるか。柑橘の香りがみずみずしい、みかん餡×みかん。鹿児島フルーツが楽しめる全4 種です。

モダンOHAGI、華かるかん、花フルーツ大福、植木鉢ティラミス、焼き菓子セットは、atelierAオリジナルデザインが可愛いギフトボックスで商品が届きます。誕生日などのお祝いに、クリスマスなどのイベントに、atelierAの〝花〟スイーツを花束の代わりに贈ってみてはいかがでしょうか

薩摩藩の御前湯として栄え、約400年の歴史を持つ湯之元温泉の地、日置市・湯之元に、atelierAはあります

atelierA ~スイーツショップ&ガーデンカフェ~

鹿児島県日置市東市来町湯田1996-1 TEL099-208-0701
●公式サイトはこちら 

●オンライン販売はこちら 

●公式Instagramはこちら
※最新の店舗営業日はInstagramをご確認ください

次のページへ〝日本一長い砂丘〟を見ながら薩摩半島を散策

撮影/吉澤健太 取材・文/小石原悠介

「モダンOHAGI(おはぎ)」4種セットを、2名様にプレゼント!
下記応募要項をご覧いただき、ふるってご応募ください。
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