薩摩半島
日本一長い砂丘〝吹上浜〟沿いの寄り道スポット
atelierAのある日置市に訪れたら、合わせて楽しみたいのが日本三大砂丘の一つ「吹上浜」から望む海景。北はいちき串木野市から始まり、日置市を通って、南さつま市の海岸線の北半分までを占める全長47kmの〝日本一長い砂丘〟は、東シナ海沿いに真っ直ぐに伸びており、その美しさは日本の渚百選にも選ばれています。MBC南日本放送の森 万由子アナウンサーと、吹上浜沿いの観光スポットをぶらりと散策してみました。
【INDEX】
●半世紀以上も漁港を照らした「長崎鼻灯台」
―灯台周辺には磯浜がひろがります
●橋を渡れば辿り着く小さな島の守り神「照島神社」
―神社の目の前にある「照島海の家食堂」は行列必至
●吹上浜を見下ろす美しき蒸留所「嘉之助蒸溜所」
―旅の記念にもぴったり〝蒸溜所限定ボトル〟
―ウイスキーの余韻に浸りたい「THE MELLOW BAR」
半世紀以上も漁港を照らした「長崎鼻灯台」
いちき串木野市にある「長崎鼻灯台」は、串木野港灯台とも呼ばれる県内初の無人灯台。青い海と空に美しく映える真っ白な灯台は、フォトスポットとして人気があります。1951年(昭和26年)2月に建設され、2009年(平成21年)10月まで59年もの間、航行の安全を守り、その役目を終えました。隣接する「長崎鼻公園」には海水プールや流水スライダー、運動広場や展望施設、宿泊施設もあり、市内外の家族連れに親しまれているスポットです。
―灯台周辺には磯浜がひろがります
ウニやナマコが岩陰に隠れていました ゴツゴツした磯浜を歩くと、大地の力強さを感じます
火山活動が盛んな鹿児島県らしく、長崎鼻灯台の目の前に広がる海岸は磯浜。干潮時にはゴツゴツとした岩場が顔を出し、小魚や、ウニ、カニ、ナマコなど、多種多様な生物の姿を間近で観察することができますよ。
- 長崎鼻灯台(串木野港灯台)
- 鹿児島県いちき串木野市小瀬町 ※長崎鼻公園から徒歩5分
橋を渡れば辿り着く小さな島の守り神「照島神社」
照島神社に続く朱色の太鼓橋 橋を渡りきると、そこはもう照島です 参道となっている階段を登ると本殿に到着
長崎鼻灯台から車で約5分。いちき串木野市には「照島」という小さな島があります。照島に架かった朱色の太鼓橋を渡り、参道を登ると「照島神社」本殿が現れます。〝ある漁師が不漁でどうしようもなかった日に、沖で不思議な形の小舟を見た途端、大漁になった。小舟はいなくなってしまったが、ある日夕日に反射して神々しく光り照島沖に現れた〟という伝説から、まぐろ漁業が盛んないちき串木野市の海の守り神として親しまれています。天気が良ければ、照島から薩摩半島最西端の南さつま市笠沙まで望むことができます。
―神社の目の前にある「照島海の家食堂」は行列必至
漁協直営の新鮮な海の幸を、丼物や御膳で堪能できます 予約不可でランチ営業のみ、食材なくなり次第終了のため行く前にお電話(0996-32-9210)を
2012年にオープンした「照島海の家食堂」は、いちき串木野市自慢のまぐろを地元で味わいたいという声から出来たお店。「串木野まぐろ丼」や「串木野まぐろ御膳」などが人気で、地元の人たちから愛されています。
- 照島神社
- 鹿児島県いちき串木野市西島平町410
照島海の駅 食堂 - 鹿児島県いちき串木野市西島平町409 TEL0996-32-9210
- 営業時間:11:30~14:30 定休日:火曜 ※詳細はお問合せください
吹上浜を見下ろす美しき蒸留所「嘉之助蒸溜所」
約9,000㎡の敷地に建つ嘉之助蒸溜所は地元でも話題 気持ちの良いガーデンには、吹上浜の絶景スポットに続くルートが ショップには、Tシャツやトートバッグなどのオリジナルグッズも オリジナルのウイスキー樽がおしゃれ 嘉之助蒸溜所本棟の外観は撮影スポットにもなっています
照島神社から吹上浜沿いの海岸線を進むこと約20分。日置市日吉町にある「嘉之助蒸溜所」は、2017年操業の新しい蒸留所。まるで美術館のようなコの字形の本棟には、蒸留設備のほか、東シナ海を一望できるバーやTシャツ・トートバッグなどを販売するオリジナルショップがあり、ウイスキー作りを身近に感じられます。嘉之助蒸溜所の母体は、小正醸造という1883年(明治16年)創業の焼酎作りの会社。豊かな水資源やこの土地特有の気候、長年培った蒸留のノウハウを生かして、唯一無二のジャパニーズウイスキーを生み出しています。
―旅の記念にもぴったり〝蒸溜所限定ボトル〟
森アナウンサーが〝蒸溜所限定ボトル〟を見つけました 1人1本までの限定販売です(写真の#004 は販売終了)
ショップでは「シングルモルト嘉之助 蒸溜所限定ボトル」が限定販売されています。この商品は原料や酵母の種類、貯蔵樽や貯蔵期間の長短など、試行錯誤の中で誕生した原酒をボトリングしたもの。この日購入できたのは、2022年7月16日に限定1,910本が発売開始された #004(現在は販売終了)。現在は、2018年10月にイギリス産麦芽を蒸留、合計で約4年熟成させ2022年10月にボトリングした #005が限定販売(無くなり次第終了)されています。ボトルには1本ずつ手書きでナンバリングが施してあり、その特別感は旅の記念の1本にぴったりです。
―ウイスキーの余韻に浸りたい「THE MELLOW BAR」
特に夕焼けの展望がおすすめだという「THE MELLOW BAR」 ショーケースにはこだわり抜いて作られたウイスキーが並びます 「こんな景色を眺めながら試飲できたら、最高の旅の思い出になりますね」と森さん
嘉之助蒸溜所では、1週間前までの事前予約で製造工程を見学できます。赤銅色に輝くポットスチル、糖化槽や発酵槽などウイスキー作りの現場や、麦芽の甘い香りとウイスキーの力強い香りを楽しんだ後は、蒸留所内にある「THE MELLOW BAR」へ。窓からの景色が緻密に計算された室内では、眼下に広がる吹上浜や青い海、そして水平線を眺めながら、蒸留を終えたばかりのウイスキーの原液「ニューポット」などがテイスティングできます。美しい景色とウイスキーの味わいに、自然とメロウな気持ちになることでしょう。
- 嘉之助蒸溜所
- 鹿児島県日置市日吉町神之川845-3 TEL099-201-7700
- 公式サイトはこちら
営業時間:10:00~16:00 定休日:月曜(祝日の場合は営業)、年末年始 ※詳細はお問合せください
撮影/吉澤健太 取材・文/小石原悠介