薩摩半島
眺望と楽しむ、タイムスリップの味
旅行の楽しみは絶景だけではありません。”美味しい思い出”も旅の醍醐味のひとつ。薩摩半島には風景を楽しみながら、ご当地ならではのグルメを食べられる場所が多く点在します。景色はもちろんのこと、当時にタイムスリップした気分を楽しみながらお料理を味わえるスポットを厳選してご紹介します。
本物の武家屋敷で食べる懐石風ランチ「知覧武家屋敷庭園」
約270年前の江戸時代から現存している7つの武家屋敷と庭園「知覧武家屋敷庭園群」。国の名勝に指定され、大河ドラマ「西郷どん」のロケ地としても使用されました。京の文化にならった佇まいは「薩摩の小京都」ともいわれ、まるで江戸時代にタイムスリップしたような気分になれます。
毎年11月には知覧武家屋敷庭園群を中心に神や竹で出来た約7000個の灯籠が並ぶ「ちらん灯彩路(とうさいじ)」が開催されます。普段入ることができない夜の武家屋敷が幻想的にライトアップされ、秋の夜長を静かに楽しむことができます。今年は11月13日(土)に開催予定。詳しくはHPをご確認ください。 武家屋敷のひとつには食事ができる場所があるんです。「高城庵(たきあん)」では庭園を眺めながら、鹿児島の郷土料理をミニ懐石風に楽しむことができます。おすすめは「とんこつ定食」(¥1,650)。とろとろの鹿児島豚とさつま揚げは絶品。こちらのメニューはオンラインでも購入可能です。 高城庵からみる景色。お茶を堪能しながら”つかの間の江戸時代”をのんびりと過ごすこともできます。もち米を木灰(きばい)のあく汁に浸けて竹の皮に包んでゆでた鹿児島の和スイーツ「あくまき」は、ほんのりとした甘さが魅力のぜひ試したいひと品です(¥400)。
若者たちが運んだ近代文明発祥の地「薩摩藩英国留学生記念館」
1865年、西洋列強が国内に押し寄せている幕末時代。「西洋の技術を習得し、世界に負けない国づくりが必要だ!」と、薩摩藩に選ばれた19人の若者は国禁を犯して密航し、海外に渡りました。帰国後に彼らがもたらした文明は日本の近代化に大いに貢献。「薩摩藩英国留学生記念館」は旅のスタートラインであった港に建てられたものなのです。
香港、シンガポール、ペナン島……鎖国の時代に命がけで海外に渡った彼ら。特別展示室では彼らのストーリーが目に浮かぶように再現されています。建物は19人が乗り込んだ機帆船「オースタライエン号」の形にデザイン、2階の木製デッキから見渡す海は彼らが出発したときと同じ景色。そんな彼らに思いを馳せて眺めてみては? 館内にはカフェも併設。海を見ながらランチやお茶が楽しめます。おすすめは「デリーカレー」(サラダ、コーヒーorアイスクリーム付き ¥800)で、インド洋を航海する彼らのランチをイメージ。カフェは屋外デッキとつながっており、甲板でワインや、一回飲むとハマるという地元の柑橘の「サワーポメロジュース」を嗜みながら乗船気分を楽しむのもアリです。 レンタサイクルで施設の周りをシーサイドサイクリングするのも◎。おすすめは東シナ海を一望できる串木野サンセットパークまでのコース。潮風を受けながら海沿いを自転車で走る爽快感は「気持ちいい!」のひと言に尽きます。館内でレンタル可能で、自転車は高台への坂道もラクに走れるのが嬉しい電動アシストタイプ。(2時間¥300)
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発祥の地で食べる味は格別!「唐船峡そうめん流し」
新鮮な湧き水を利用し、一年を通して楽しめる「唐船峡(とうせんきょう)そうめん流し」は全国から多くの観光客が訪れる人気のスポット。昭和22年に旧開聞町の副町長が、洗濯機が回っているのを見たことからヒントを得て開発したと言われており、回転式そうめん発祥の地です。
ここ唐船峡は一日に10万トンもの湧き水が出るそうで、店内の脇には川から水が流れ、周りは緑に囲まれて、夏もひんやりとしているのが特徴です。指宿市内には何軒かそうめん流しのお店が立ち並んでいますが、こちらは唯一の市営です。 店内には91席もの2段式そうめん機設置のテーブルがあり、回る速度は速め。銘水百選に選ばれたこともある自然の恵みいっぱいの湧き水を使って回るそうめんは、ひんやりしていて格別です。人気はマス塩焼き、鯉こく(煮込み魚のお味噌汁)、おにぎり2個、鯉あらいがセットになった「A定食」(¥1,680)。 近くには水上アクティビティの人気スポット「池田湖」があります。天然記念物に指定されている1.8mもの巨大鰻が生息しているほか、ネッシーならぬ“イッシー”(池田湖だけに)という謎の未確認生物が棲むといわれる神秘的な湖でもあるんです。湖畔の旅の駅にはイッシー像があるそうなので、記念写真を撮るのも旅の思い出に!?
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※価格などの情報は取材時のものです。