西彼杵半島
西海で生まれた素朴ながらも味わい深いお菓子を全国区に!
お店の中にはウッドを基調にしたあたたかみのある喫茶スペースがあり、ズコットを試食した後、そちらで岩下さんにお話を伺いました。
中村アナ このズコットというケーキは、どうやって生まれたんですか? 食べれば食べるほど、その美味しさに引き込まれてしまいます!
岩下さん 創業は100年以上になりますが、「お菓子のいわした」として本格的にケーキづくりをスタートしたのは30年ほど前になります。時代の変化とともに大手には太刀打ちできなくなり、うちならではの名物を作ろうということで3代目の父の代に誕生したのが、このズコットだと聞いています。カステラの文化がある長崎では馴染みのあるふわふわの食感と、持ち運びしやすくお土産にもできて、何度食べても飽きない。それがズコットの原点です。
中村アナ しっとりとしてキメ細かくて、ふわっと食べやすくて、幅広い年代に愛される。どことなくカステラと通じるものがある気がします。ただ、カステラより格段に甘さ控えめで、口どけがかなり軽やかなので罪悪感もあまりない気がして、〝もっともっと〟と後を引く美味しさがあります!(笑)
岩下さん お客様からはよく〝あっさりしていて美味しい〟とおっしゃっていただきます。作り手としては、ちょっぴり物足りなさを感じたりもするんですけどね(笑)。逆に、甘さがほどよくシンプルな味わいだからこそ、リピーターの方が続々と増えてきているのかな、とも思っています。
中村アナ ベーシックなズコットのほかに、月ごとに限定のフレーバーがあるのも選ぶ楽しみがありますよね!
岩下さん 月が変わるごとに、季節を感じながらズコットをもっと楽しんでいただきたいと思い、〝マンスリーズコット〟も作っています。2月はチョコレート、3月はいちご、7月はメロン、11月は栗など、その時期の旬のフレーバーでオリジナリティを出しています。
中村アナ ズコットをはじめ、「お菓子のいわした」さんのお菓子は、お土産店などに商品を卸すこともなく、こちらの店舗でしか買えないというところにもこだわりを感じます。
岩下さん ありがたいことにテレビやWEBメディアなどで紹介いただき、特にズコットは全国各地からオーダーをいただけるようになりました。もちろんお店にも足を運んでいただきたいですが、作りたてを冷凍し、フレッシュなままお届けできる時代になったので、通販でもぜひ食べてみていただきたいです。
中村アナ 今日はありがとうございました!
「パティシエ修行時代は睡眠時間が毎日3時間。修行先のお店が大きく有名になっていくにつれ、自分も成長できるような、常に魅了される現場でした。ただ、自分がここ西海市に戻り店主になった今、従業員にはできる限り負担はかけたくない。毎日イキイキと楽しくケーキ作りをしながら、一緒にお店を盛り上げていってもらえたら、と思っています」と岩下さん。優しく柔らかな物腰ながらも、芯の強さが垣間見られる4代目・岩下武士さんの作り出すお菓子から、これからも目が離せません!
お菓子のいわした
長崎県西海市西海町七ツ釜郷567
TEL 0959-33-2535
公式インスタグラムはこちら
OPEN 9:00/CLOSE 18:00
月曜定休(月曜が祝日の場合は火曜休)
喫茶スペース有
西彼杵半島には海を臨む絶景スポットがたくさん!
自分史上最高の夕陽スポットも
海を臨む絶景スポットが点在する西彼杵半島の中でも、「一度は訪れるべきスポット」として名高いのが、北緯33度線上の崎戸島の最先端にある「北緯33度線展望台」です。満たす限り、海、海、海! 晴れていれば五島列島や平戸島がくっきりと見え、五島灘を望むパノラマビューはとにかく壮観。フォトフレーム型の自撮り台が設置されていて、キラキラ光る海の絶景とともに思い出写真が撮れるという心遣いも観光スポットとして最高です! 日中はもちろん、美しい夕陽が臨める場所でもあるので、夕暮れ前に訪れるのもおすすめ。
SNS映え必至! リアルでキッチュなお魚バス停
北緯33度線展望台に向かう途中に立ち寄れる話題のスポットがこちら! お魚型のバス停が崎戸町内に4か所も。写真は西海市特産のアラカブをかたどった「蠣ノ浦アラカブバス停」。ユニークな見た目が話題騒然で、SNS映えするスポットとして遠方から撮影に訪れる人々の姿も。ちなみに先に紹介した「お菓子のいわした」では、このお魚バス停をモチーフにしたケーキの販売もしています。あわせて一見の価値アリです!
西海橋でうず潮を観ながら心地よく海風を感じて…
戦後間もなく物資が十分でない中に着工し、1955年に日本初の有料道路橋として完成した「西海橋」。佐世保市と西彼半島をつなぐ橋としてかけられた全長316m、海面からの高さ43mのアーチ式の橋は、架橋当時は「東洋一のアーチ橋」と呼ばれ高い評価を受けていたのだとか。現在は車の通行は無料に、国指定重要文化財にも指定されています。橋の下のエメラルドグリーンの海には、日本三大急潮のひとつに数えられる針尾瀬戸の急流とうず潮も望め、桜の季節には「うず潮まつり」の開催も。春はお花見客でも賑わう人気スポットです。
「新西海橋」は西海橋と平行して架かる橋で、有料道路・西海パールラインの一部。ドライブに来たら西海橋公園に車を停め、車道の下にある遊歩道をぜひ歩いてみて。開放感のある景色を楽しみながら、歩道の床にあるガラス張りの窓から真下にあるうず潮をのぞき見。ちょっぴりのエモさと癒しが共存するスポットです。
撮影/山本雄生 取材・文/門司紀子