【発表! 第2回“半島産品”アワード】「半島は日本の台所賞」受賞商品は4つ!
2023年8月9日、第2回「半島産品アワード」の開催とその受賞商品が、国土交通省から発表されました。同省が主催するこのアワードは、全国の半島地域の自治体より提供された情報を集め作成されたWEBサイト「半島産品データベース」(全634品)から、「半島の食のブランド化」を図る官民連携実証事業の参画&賛同事業10者がそれぞれ選出したもので、2022年からスタートしました。
「半島産品データベース」では、これまでの【特産品】【未利用・規格外商材】に加え、今年は新たに【ブランド認定生鮮品】も登録され、3カテゴリーの半島産品情報を集約しています。
国土交通省とともに半島の食のブランド化を目指す、私たち「半島は日本の台所」編集部が【特産品】カテゴリーより選出した4つの「半島は日本の台所賞」受賞商品をご紹介します!
■「半島は日本の台所賞」 株式会社光文社
- 【受賞商品】
●広島県・江能倉橋島半島「かきすき」
●石川県・能登半島「能登の大納言あんこギフト(つぶあん・こしあん)」
●北海道・渡島半島「無洗米ちりめんじゃこ山椒ごはんセット」
●島根県・島根半島「さばの塩辛」
【選定理由(4商品共通)】
①半島地域の厳選素材を使用し、かつ、ひと手間をかけて新しい食べ方を提案していること
②調理いらずで手軽に半島現地の味を楽しめること
③商品へのこだわりが、商品パッケージや公式サイトからも感じられること
●広島県・江能倉橋島半島「かきすき」/寺本水産
- 「かきすき」選定理由
広島産牡蠣の商品は数あれど、すき焼き風味は新しく意外性のある商品。食べ方の提案がいくつかあり、電子レンジで温めるだけで食べられるのは嬉しい。わざわざ生食用の牡蠣を使用している点にも牡蠣生産者としてのこだわりが感じられる。さらに、加えたオリーブオイルも地元産なことで半島産品としての魅力が倍増している。
かつての沖美町(現在の広島県江田島市北部)で牡蠣業者が昔から日常的に食べてきた「牡蠣のすき焼き」を商品化しました。広島県から強流速清浄海域と認定された「奈佐美瀬戸」で育ったブランド牡蠣「鍛え牡蠣」は生食用の高品質な牡蠣。旨味が凝縮し大粒の牡蠣を70gも使用しています。さらに、調理用のオリーブオイルは江田島オリーブファクトリーの「安芸の島の実オリーブオイル」。まさに「オール江田島」な逸品なのです。日本のトップシェフを中心とした15名が審査し、未来につなげたい「美味しい」を発掘する「食べるJAPAN美味アワード2021」では特別賞を受賞しました。
立派に育った牡蠣のほかに、アミノ酸不使用の醬油やエノキ、国産牛すじなどを加え、寺本家のすき焼きに近い味で再現された、誰にでも愛される味です。原材料はすべて無添加無化調で、パウチのまま電子レンジで温めればすぐにいただけます。すきやきを想像すると濃い味を思い浮かべますが、万人受けするほどよい味付けです。
温かいごはんに「かきすき」をどっさりとかけた「かきすき丼」をはじめ、うどんにかけたり、卵でとじたり、本当にいろいろな楽しみ方が広がります。
●石川県・能登半島「能登の大納言あんこギフト(つぶあん・こしあん)」/御菓子司 吉野屋
- 「能登の大納言あんこギフト(つぶあん・こしあん)」選定理由
「能登大納言」という地元産を強くアピールする希少食材を、昭和元年創業の地元の御菓子司の手作業で丁寧に仕上げた逸品は、高級感があって贈答用にも喜ばれそう。パッケージも海外でも通用しそうな高級ジャムのよう。こしあん、つぶあんと2パターンをまとめることで、「あんこ好き」のニーズをよく理解している商品。
原材料の「能登大納言小豆」は奥能登地方独特の気候風土に育まれ、全国に数ある大納言小豆の中でも、粒の大きさと宝石のような鮮やかな赤い色が特徴で「赤いダイヤ」の別名もあるほど。ひとさやずつ順に収穫する「さやほり」という丁寧な手作業も、小豆の希少性を高めています。昭和元年創業「吉野屋」の職人が時間をかけ丁寧にふっくらと焚き上げ、小豆の皮が口に残ることもなく、風味が非常にいい「あんこ」ができあがりました。つぶあんとこしあんの瓶詰セットは、ご贈答にも喜ばれるかわいいデザインです。
こしあん つぶあん
地元では「こしあんにするなんてバチが当たる!」と言われるほどの粒を丁寧にこした「こしあん」は水羊羹のようなやさしい食感で、小豆がしっかり感じられるダイナミックなサイズは「つぶあん」で楽しめます。どちらも品のいい甘さなので、あんこ好きにはたまりません。こちらのあんこを仕入れる石川県内の和菓子屋さんからは、「大粒の豆をそのまま生かせ、皮が柔らかく風味がよい」との評判。高級和菓子の材料として珍重され、最高級とされる丹波産にも勝るとも劣らない品質と評価されているそうです。
こってりとした甘さではないので、トーストにたっぷり塗ったり、あんバターにしてパンにはさむのも美味しい。アイスクリームやジェラートとの相性も抜群です。
●北海道・渡島半島「無洗米ちりめんじゃこ山椒ごはんセット」/澤田米穀店
- 「無洗米ちりめんじゃこ山椒ごはんセット」選定理由
「お米のおいしい食べ方の提案」をテーマに営む地元のお米屋さんが厳選した、人気の北海道米と北海道産の具材で作られた商品で地域性が高い。そして無洗米と味付き具材がすでに入っている1パックを炊飯器に入れるだけという簡単調理は魅力。情報量の多さをデザインで上手に見せているパッケージもとてもおしゃれ。食品添加物不使用も安心で嬉しい。
何よりも手軽に炊き込みごはんができるのがうれしいオールインワンパック。袋の中身と水400㏄を炊飯器に入れて炊くだけで、ちりめんじゃこ山椒ごはんが完成。食品添加物不使用の本格炊き込みごはんセットです。北海道稲作発祥の地、北海道北斗市の高橋さんによる(生産者指定)、道南を代表する品種「ふっくりんこ」の無洗米を使用、北海道産の小女子や真昆布、国産の実山椒が乾燥具材として封入され、炊き上がると美味しいアクセントになります。お米の美味しい食べ方を提案し続けるお米屋さん「澤田米穀店」のアイデア商品です。
炊き立て
簡単にできあがるのに大満足。炊飯器さえあればできあがります。ちりめんじゃこの量が想像以上で、品のいい味ながら育ちざかりでも十分満足できる量。「水ここまでライン」が包材に記されているのでカップ測量も不要、普段の食事だけでなく、キャンプや備蓄用にも最適です。
●島根県・島根半島「さばの塩辛」/御津フィッシャーマンズファクトリー
- 「さばの塩辛」選定理由
地元に伝わる伝統的な製法で、魚の扱い方を知り尽くした漁師さんが作った商品なら美味しいに決まってる! 鯖と地元産の食塩しか使ってないところも、鮮度や製法によほどの自信が伝わる。パッケージもグラフィカルでおしゃれ。『「獲る」だけでなく、「獲って創り出す」漁師へ。』というコンセプトも半島事業にマッチしている。
島根県御津沖で獲れたマサバと、島根県浜田市のライフセーバーが作っている「浜守の塩」のみを使用して、調味料、着色料は無添加で製造した塩辛。知る人ぞ知る塩辛の町「御津」に伝わる伝統製法で、マサバを細かく切り、腹わたと塩を手作業で混ぜ込み、状態を確認しながら約3カ月発酵させるという手間暇がかかった一品。酒の肴、ごはんのおかずとして最適です。
骨の部位は切り取ってあり、「浜守の塩」のおかげで口当たりがよくなり、食べやすくなった濃厚な旨みを感じます。ボンゴレロッソ、青菜炒め、キムチ和え、白菜鍋などを掲載した小さなレシピブックが付いているので、食べ方のレパートリーも広がりそう。
島根県の御津漁港で定置網漁業に従事する漁師たちが、「日本海で育った旬の魚介のおいしさを、もっとたくさんの人に届けたい」という思いから、獲るだけでなく、獲って売る&つくることにシフトチェンジし立ち上げた「御津フィッシャーマンズファクトリー(M.F.F.)」。毎日漁に出ながら、御津の海で獲れる魚介を最高の状態でお届けできる加工や販売方法にもこだわっています。
※価格などの情報は取材時のものです。
撮影/前 千奈美(光文社写真室)