紀伊半島
「#濃ゆ〜い」が合言葉、フルーツの台所・わかやま
ユネスコ世界遺産に登録されている巡礼ルート「高野参詣道」、関西有数のリゾート地「南紀白浜」…。日本有数の観光スポットをいくつも抱える和歌山県で、近年、ヘルシー志向の女性に注目されているのが、県内各地域で丁寧に育てられている芳醇なフルーツの数々。その生産量の多さと一年を通して常に旬のフルーツがあることから「フルーツ王国」を標榜しています。
8月は桃、ぶどうの最盛期、そして秋以降は柿→みかん→いちごと、おなじみのフルーツのラインナップが続きます。和歌山産フルーツの人気の秘密は、徹底的な水分管理による”濃ゆ〜い”味わい。車で紀伊半島地域を散策すれば、あちこちに直売所やフルーツ狩りができる農園。さらに、最新ご当地スイーツ「わかやまポンチ」も見逃せません。日本が誇るフルーツの台所へ、”おこし”!
日本最大級の青果市場から即席露店まで…直売所巡りで「推し農家」を発見

和歌山県で直売所といえば、なんといっても国内最大規模を誇る「めっけもん広場」(紀の川市)。上の写真は、7〜8月に旬を迎えた桃の売り場。関西地区を中心とした県外からも、旬のフルーツを買い求める人々が押し寄せます。
こうしたファーマーズマーケットが県内には約90カ所ほどあり、地元の農家の方たちが倉庫などを開放して、穫れたてのフルーツを不定期に開く”即席露店”も点在します。農園沿いの道をドライブ中、”のぼり”にビビッときて立ち寄ってみたら、人生最高の味に…なんて出会いがあったりする「農家指名」もブームです。
美味しいフルーツに出合うコツは、ずばり天気。収穫直前に雨が降ると、果物が水を吸って味の濃さが損なわれるため、天候によって出荷時期も調整されるそう。それでは”推し農家”探しに行きましょうか。
国内最大級の直売所「めっけもん広場」。毎週末には旬のフルーツや野菜を求める客足が絶えない 夏の風物詩・すいか。その量を見れば、めっけもん広場の集客力は一目瞭然 9月頭から年内いっぱいまで旬が続く、みかん。和歌山県が誇るブランド「有田みかん」をはじめ、たくさんの品種が並ぶ 「めっけもん広場」を運営するJA紀の里は大阪のオフィス街に出張キャンペーントラックを走らせることも
- 「めっけもん広場」
- ・住所/和歌山県紀の川市豊田56-3
- ・営業時間/9:00−17:00
- ・休み/毎月第1火曜
- 詳細はコチラ
もぎたてシャインマスカットは格別!「フルーツ狩り」の聖地です


せっかくフルーツ目当てに和歌山を訪れたら、収穫も体験しておきたいところ。晩夏から初秋の時季ならその頃に旬を迎える、ぶどう狩りがお勧め。有田川に沿って山間に広がる有田川町には、「有田巨峰村」「千葉フルーツパーク」という、2大観光農園があります〈写真・上〉。収穫できるのは、甘みが濃厚な巨峰や女性に大人気のシャインマスカット。もぎたてぶどうの芳醇さは格別です!
もうひとつ、和歌山のフルーツ狩りで見逃せないのが、いちご。有田郡、御坊市、紀の川市をはじめ県内各地に観光農園があり、大型バスで訪れるいちご狩りツアーも組まれているほど。全国的に見れば生産量は多くはないものの、「まりひめ」〈写真・下〉という現地でしか食べられないレア品種が人気を集めています。
まりひめの特徴は、酸味少なめ甘みが強く、大粒なこと。いちごは普通、濃厚になれば酸味も増しますが、まりひめが増すのは甘みだけ。旬は12〜2月で、「藤桃庵」(紀の川市)という専門店で冬季限定販売される、まりひめのジェラートも絶品です。
新名物「わかやまポンチ」は季節×お店で味わい無限大…県外にも拡大中

いま和歌山が県をあげてブランド化に取り組んでいるのが、新しいご当地スイーツ「わかやまポンチ」。その条件はシンプルで、①和歌山県産梅の甘露煮やシロップ漬けなど、梅加工品を使っていること ②和歌山県産のフルーツを1種類以上使用していること ③和歌山県産の梅およびフルーツの使用について説明書きがあり、消費者にそれらの使用が認識できる工夫がなされていることの3つだけ。
あとは自由演技なので、ジュースやゼリー、パンケーキと組み合わせたもの、さらにお酒の入ったカクテルまで、季節やお店ごとの違いを一年中楽しめるんです。現在、県内では約30店で提供されているほか、大阪や神奈川のカフェ、東京では「近畿大学水産研究所 銀座店」でも味わうことができます。
上の写真は「Nagisa Beer Dining シラハマ バーリィ」という、クラフトビールブランド直営レストランの「和歌山ポンチ」(¥600)。季節のフルーツと梅シロップ&県内産の梅の甘露煮が見事にマッチしているうえ、上に添えられたアイスクリームで味の変化も楽しめます。ぜひ、自分だけのお気に入りわかやまポンチを見つけてみて。
「わかやまポンチ」によく使用される県内産のフルーツは、収穫量が全国1位のみかんや梅・柿をはじめ、桃やキウイ、イチジクなど。年間を通して旬を楽しめる 「サウスウエストカフェ」のわかやまポンチ(¥1,300)は、季節のフルーツを使った、爽やかなフローズンドリンクタイプ。特徴はフルーツ専門店ならでは、新鮮な県内産の果物と梅が揃えられているところ 「パティスリークスギン」の、わかやまポンチ(¥420)。下の層はシリアルとホワイトチョコ、真ん中の層はブランマンジェ、トップに和歌山県産の果実をふんだんに使用という嬉しすぎる3層構造。スポイトに入っている梅シロップでの味変や、混ぜて食べても◎ 県による、わかやまポンチ振興の取り組みのひとつとして「タカノフルーツパーラー」とのコラボも実施
※価格などの情報は取材時のものです。