薩摩半島
atelierAの「モダンOHAGI(おはぎ)」
華麗に広がる花びらと豊かな色彩。一見すると「これがおはぎだなんて!」と驚く美しさ。鹿児島県日置市にあるatelierAは、地元の食材にこだわり〝世界にひとつだけのオリジナル商品〟を手作りしているスイーツ店。見た目の華やかさと確かな味は、県内外から評価されており、催事に出店すると即完売。お祝いや記念日などに贈りたいという注文が後を絶ちません。「家族の誕生日にはケーキを手作りする」というスイーツ好きのMBC南日本放送・森 万由子アナウンサーと、時代の先端を行く「モダンOHAGI」を取材しました。
PROFILE
里之園亜希さん
atelierAオーナー。高校の音楽科教員を経て、アイシングクッキーやフラワーケーキの技術を学び、パティシエールに転身。幼い頃から家族で美術館巡りをするなど、芸術に触れあう機会が多かった。2016年にアミュプラザ鹿児島で開催された「ちょこぱく」(チョコレート博覧会)に初出店した際に、1週間で1000個の商品を完売したことで注目を集める。
2021年には、指宿白水館でおこなわれたヒューリック杯女流棋士戦にて“将棋のおやつ”に選ばれるなど、九州を代表するスイーツ店として知られるようになった。
【INDEX】
●その美しさに心奪われる モダンOHAGI
―鹿児島県産素材を使用した全6種をご紹介します
●目にも鮮やかな職人技で完成
―バラ(知覧茶・金ごま・紅はるか&紫芋・玄米味噌)
―菊(きなこ・ほうじ茶)
●できたてのモダンOHAGI 森アナウンサーが試食しました
その美しさに心奪われる モダンOHAGI
幾重にも重なる花びらは、一枚一枚丁寧に餡を絞り出して作られるオートクチュール。かたどられたバラと菊は“食べるアート”と言っても過言ではないほど。国産の白餡に、地元・日置市中心の鹿児島県産食材を練り込んだオリジナル餡の鮮やかな色彩は、合成着色料を一切使っていない食材本来の天然色によるものです。
その華やかさだけでも特別感のある「モダンOHAGI」は、味もまた格別。「知覧茶」「金ごま」「紅はるか&紫芋」「玄米味噌」「ほうじ茶」「きなこ」の6種のフレーバーは、オーナーの里之園さんが県内の産地に直接足を運んで厳選したものを使用しています。粉末状にした素材を驚くほどたっぷりと滑らかな餡に加えることで、発色がよく、素材の味がはっきり際立ちます。
―鹿児島県産素材を使用した全6種をご紹介します
①知覧茶
人気ナンバー1の「知覧茶」は、南九州市のブランド茶。一般的な煎茶よりも長い時間蒸して作られる「深蒸し茶」で、まろやかなコクと旨味、深い色合いが特徴と言われています。使用するのは日置市「お茶のにいやま園」の知覧茶です。
「おはぎに合う和の食材で保存性を考慮すると、どうしても茶色系の食材ばかりが集まってしまいがちでした。その悩みを解消してくれたのが知覧茶。和スイーツにも使われるし、保存性も高い。鹿児島らしさがあって、なおかつ鮮やかな色がつけられるということで、モダンOHAGIにはぴったりな食材でした。深みのある味わいを出すために、お菓子用に焙煎していただいた香り高いものを使っています」(里之園さん)
②金ごま
日置市産の金ごまは、実がぎっしりと詰まっており、しっかりとした甘みと香り高さが自慢。白ごまや黒ごまと比べるとごま本来の旨味が強く、ナッツのような香ばしさがあります。使用するのは日置市「伊集院物産」の金ごまです。
「伊集院物産は1947年創業の製油会社で、なたね油やごま油を製造している会社です。同社の農場で育てたごまを仕入れて、餡にしたものがこのクリーム。金ごまと一緒に黒ごまも仕入れて試作品を作ってみたのですが、金ごまの風味は比べものにならなかったですね。鼻から抜ける香りを楽しんでいただきたいです」(里之園さん)
③紅はるか&紫芋
鹿児島県の特産品、国内生産量1位のサツマイモは欠かせません。「紅はるか」は自社栽培したものを、紫芋は曽於郡「都食品」の「綾紫」パウダーを使っています。中身まで紫色の綾紫は、ポリフェノールの1種アントシアニンという青紫色の色素を多く含み、鮮やかな発色が特徴。
「ほくほくとして素朴な甘みのあるお芋の味を堪能していただきたいですね。餡に混ぜてもしっかり香りが立っていて、食べた後にもじんわりと余韻が残ります。鹿児島県を感じていただける商品だと思いますよ」(里之園さん)
④玄米味噌
使用する日置市「はつゆき屋」の玄米味噌は、九州産の玄米、大豆、そして「天塩」という自然塩を原料とした添加物不使用の香ばしいお味噌。食物繊維、鉄分、ビタミンB1、カルシウムなどを豊富に含む玄米と、発酵食品の味噌を合わせることで、より優れた健康効果も期待できます。
「味噌といえば、麦味噌の方が馴染みがあったのですが、玄米味噌という少し珍しい味噌が地元にあるということで試してみました。鹿児島には「豚味噌」という郷土料理があるのですが、これがご飯によく合うんです。そこにインスピレーションをもらって、餡に味噌を入れたらご飯に合うんじゃないかと思いました。ちょっと塩味が効いていて、ご年配の方にも美味しいと言っていただける懐かしい味になっています」(里之園さん)
⑤ほうじ茶
チョコレートのような深いダークブラウンの色合いが美しいほうじ茶は、鹿児島県産の茶葉を焙煎して作られています。強火で芯までしっかりと火を通すことで、独特の香ばしさが際立ちます。使用するのは日置市「お茶のにいやま園」のほうじ茶です。
「見た目は濃い印象を受けるかもしれませんが、ほっとできる落ち着きのある味わいで、後味もすっきりとしています。知覧茶と同じく、お茶のにいやま園さんにお菓子用に焙煎、粉末にしていただいたパウダーを使っています」(里之園さん)
⑥きなこ
きなこの原料となる大豆は「ふくゆたか」を使用。日置市日吉町で「農事組合法人キタカタ」が作るふくゆたかは機械で選別された後、さらに人の手で厳選された綺麗な大豆なので、より不純物のないきなこに仕上がるそう。優しく素朴な甘さを味わえます。
「おはぎといえば、あんこときなこが定番ですが、モダンOHAGIはきなこをまぶすのではなく、他の商品同様に餡に練りこんでいるのが特別なところです。餡との一体感が出ますし、きなこの風味の感じ方も変わってきます。定番商品のいつもと違う味わい方を楽しんでいただきたいです」(里之園さん)
- 使用素材の販売元・お問合せ先
- ①知覧茶、⑤ほうじ茶:お茶のにいやま園 TEL099-273-9820
②金ごま:伊集院物産 TEL099-273-5222
③紫芋:都食品 TEL099-476-0540 ※紅はるかはatelierA自社農園栽培のもの
④玄米味噌:はつゆき屋 TEL0120-371-113
⑥きなこ:農業組合法人キタカタ TEL090-6775-1389 HPなし
目にも鮮やかな職人技で完成
手作業で花びらを一枚一枚重ねていきます 1個につき1分足らずの速さで完成 素材を練り込んだオリジナル餡を絞り袋に モチモチの九州産もち米を並べていきます
俵型に丸めたご飯を、餡で包み成型していくおはぎが一般的ですが、「モダンOHAGI」はひと味違います。炊き立ての九州産もち米を商品トレイにちょこんと盛り付けます。里之園さん曰く「この後、餡を載せることも考えご飯の量は抑えめにしている」とのこと。ここからフラワーケーキを作る要領で、餡を「バラ」と「菊」の2種類の花の形に絞り出していきます。
◆バラ(知覧茶・金ごま・紅はるか&紫芋・玄米味噌)
中央から花びらを重ねるように 層にしていくと立体感のある花が開く
里之園さん:バラはおはぎの中心から外側へ、一枚一枚花を重ねるように絞っていきます。
森さん:バラを作る工程は、つぼみからだんだんと花が咲いていくようにも見えますね。立体感があって、とても綺麗。うまく重ねるコツはありますか?
里之園さん:外側に向かうにつれて、花びらを厚く、大きくしていくことですね。時間をかけすぎないことも大切なポイント。手が震えたりすると歪みになってしまいますからね。片方の手で一定の力加減、スピードでクリームを絞りながら、もう一方で土台を回していくんですよ。
森さん:1分かからずに、あっという間にひとつ作ってしまいましたね!
里之園さん:簡単そうに見えると思うんですけど、これが意外に重労働なんですよ。ホイップクリームは絞りやすいのですが、あんこだと握力がものすごく必要になるんですよね。硬い品種の小豆だと絞り出すことすら難しくなります。ですから、あんこも柔らかい国産の白餡を選んでいるんですよ。
◆菊(きなこ・ほうじ茶)
細かく花弁をつけて菊の花を作っていく バラよりも細かい作業のため、1日中作り続けると腕がパンパンに
里之園さん:花の形がバラだけでは少し寂しいので、何かバリエーションを増やしたかった。和菓子に合うお花のデザインは何かと考えたときに、菊がいいのではとなりました。
森さん:菊はバラに比べて花が小さいので、より難易度が上がりそうですね。
里之園さん:菊もまずはおはぎの中央から。花びらでびっしり埋めていきます。餡を絞る回数はバラよりも圧倒的に多いので、とにかく腕が疲れます(笑)
森さん:綺麗な菊の花にするためのポイントはありますか?
里之園さん:花を均一の大きさにして、ご飯が見えないように並べることですね。場所ごとに花の向く角度を調整すると立体感や花の広がりが出ます。
知覧茶・金ごま・紅はるか&紫芋・玄米味噌はバラの花に。きなこ・ほうじ茶は菊のデザインになっています。1種類でも十分華やかなモダンOHAGIですが、6種類揃うとまるで花束のようなゴージャス感! 店頭購入の際には、注文を受けてからひとつひとつ餡を絞って提供してくれます。
できたてのモダンOHAGI 森アナウンサーが試食しました
季節の花々が彩るatelierAの軒先で、できたてのおはぎを森アナウンサーが試食させていただきました。
「atelierAさんのおはぎは、MBC南日本放送の局内でも大人気で、じつは同僚から取材に行けることを羨ましがられたほどなんですよ」と食べる前から目を輝かせる森さん。 最も気になったという玄米味噌と色鮮やかな知覧茶の2種類を味わいます。
まずは、最も気になった「玄米味噌」から お茶が濃く香る「知覧茶」も試食
【玄米味噌】
「味噌とあんこという組み合わせがあるとお聞きしたときは、少しねっとりしているのかなというイメージがあったのですが、甘じょっぱさというメリハリも効いていて、後味がとても爽やか。玄米味噌という発酵食品のおかげなのか、心なしか乳酸飲料を飲んだ後のような風味もあります。初めての味なので、召し上がった方はきっと驚かれると思います」(森さん)
【知覧茶】
「知覧茶は、冠婚葬祭や新茶の季節など、この地域に住んでいると飲む機会の多い地元の味。食べる前からその親しみ深い香りがして、心踊りますね。いただいてみると豊かな香りが口中に広がります。お茶のいい甘さ、そして煎茶ならではのほろ苦さもあって、本格的なお茶スイーツを味わえた満足感がありました。大人の味わいですね」(森さん)
また、モダンOHAGIは一般的なおはぎよりもご飯の量を抑えているため、ひとつで満腹にならないのも嬉しいところ。「お土産として持っていったときに、食べ比べてもらう楽しみもあるのではないでしょうか」と、森さんもニッコリ。
「このモダンOHAGIを持っていったら、もてなし上手と褒められること間違いなしですね!」(森さん)
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撮影/吉澤健太 取材・文/小石原悠介
「モダンOHAGI(おはぎ)」4種セットを、2名様にプレゼント!
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