島根半島
出雲の食卓には欠かせない、こだわりの練り物作り
出雲の家庭では食事のおかずだけでなく、お茶うけとして登場するほど子供から大人まで親しまれている練り物。昭和38年に創業した出雲国大社食品では、山陰の海産物を素材にした練り物を主力商品にしています。あご(飛び魚)を使った島根県の特産品「あご野焼き」をはじめ、かまぼこや天ぷら、はんぺんなどを生産している工場を訪問しました。
手間を惜しまない工程が変わらぬ美味しさを可能に
この日は、白身魚のすり身に国産白ワインを練り込んだ「ワインジャンボ」の製造ラインが稼働中。まずは原材料のすり身を練っていくのですが、この工程が最も難しいそうです。「個体差がある様々な魚を使うすり身は、その時によって状態が変わります。まず試作品を確認してから微調整することがあるほど、仕上がりを左右する作業です」と山崎さん。それから金串に巻き付けて成形し、くるくると回しながら焼いていきます。外はこんがり、中はふっくらな焼き加減にするのにも細心の注意を払っています。
ゆっくりと冷ましたら包装して、発売から20年のロングセラー「ワインジャンボ」が完成!皮目は香ばしく、噛むごとに白身魚の旨みをワインのほのかな風味が広がります。
地元素材を取り入れて、出雲の魅力を全国に伝えたい
徳田さん:島根県外に住んで、子どもの頃から慣れ親しんでいた出雲食材の美味しさを実感しました。出雲では魚は一尾丸ごとを買ってきて自宅で捌くのが当たり前でしたから、関東で暮らし始めたときは売り場に切り身ばかりが並ぶ光景に少し驚いたりして…。
山崎さん:島根ののどぐろ漁獲量は全国的にも多く、宍道湖のしじみも特産品ですよね。出西生姜や仁多米といった、この土地ならではの農産物もあります。ぶどう栽培も盛んですし、山海の素材に恵まれていると思います。
徳田さん:そういう島根の魅力をもっと知ってほしいですね。
山崎さん:弊社でも、従来からある「ワインジャンボ」のように、地元産の食材をもっと使ってロングセラー商品の開発・展開をしていきたいと思っています。現在、練り物を生産する本社工場と、アヒージョなどを生産している浜町工場があるのですが、新しい浜町工場はフル稼働していません。商品を充実させて工場を動かせば、雇用も増えて地元に貢献できると考えています。
徳田さん:これからも地元・出雲に根付いた発展を目指されているのですね。
山崎さん:そうですね。地域密着型企業として島根・出雲の素材をどんどん取り入れ、練り物製造に長年携わっている強みを生かしつつ、優れた商品を開発していきたいと思っています。いいもの美味しいものを発信して、全国の皆さんに島根の魅力を伝えられたら嬉しいです。
※取材当日は充分な感染対策を行った上で撮影しております
- のどぐろとハタハタのアヒージョ詰め合わせの購入はこちら
せっかく来たら一度は訪れたい「出雲大社(いづもおおやしろ)」
出雲大社は、日本最古の歴史書といわれる「古事記」にその創建が記されるほどの古社。御祭神は「だいこくさま」としても親しまれ、神話「因幡の白兎」ではうさぎを助けた「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」です。旧暦10月には全国の神々が集まるとされ、また日本を代表する縁結びの神様でもあります。参詣のために各地から訪れる観光客も多い出雲大社で、学生時代にはお巫女さんを務めたこともあるという徳田さん。「出雲に生まれ育った私にとって、出雲大社はごく日常に〝ある〟のが当たり前の存在でした」。
参道を抜けて境内に足を踏み入れると、歴史を刻んだ神殿や建造物を目の当たりにして圧倒されます。拝殿の奥にあるのが「八足門」。正月三が日や特別な日しか中に入れず、通常はここから御本殿を参拝します。出雲大社での参拝作法は、一般的な「二礼二拍手一礼」ではなく「二礼四拍手一礼」。手を合わせると心が凪ぎ、晴れやかな気持ちになれそうです。
出雲大社といえば、やはり大注連縄を思い浮かべる人も多いはず。神楽殿の正面に掛かる大注連縄は長さ13メートル超、重量は約5.2トンにもなるそうです。日本最大級の大きさは圧巻!「出雲大社の境外にも、『稲佐の浜』など由縁のある場所が多くあります。出雲大社周辺を合わせて巡っても楽しんでいただけると思います」と徳田さん。
- 合わせて読みたい!
- ・島根県島根半島の美味しいお取り寄せ5選
- ・「未利用魚を美味しく!」から生まれた逸品
「のどぐろとハタハタのアヒージョ」を、3名様にプレゼント!
今回ご紹介した「のどぐろとハタハタのアヒージョ」を合計3名様にプレゼント。下記応募要項をご覧いただき、ふるってご応募ください。
応募要項はこちら
撮影/長谷川潤〈人物・風景〉取材・文/首藤奈穂