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自然豊かな伊万里の里で安心安全な養鶏が評判に

伊万里ヤマンドリシリーズを販売する百姓屋が創業したのは、今から29年前の平成6年(1994年)。海外出張の多い企業に勤めていた夫が脱サラ後、ご両親が建てた佐賀県伊万里市波多津の鶏舎を受け継ぎ、夫婦ふたりで始めたのが始まりでした。

現在、3人の子ども全員が就農し、鶏舎も少しずつ増え、鶏の飼育から加工品事業を手掛けるように。また、養鶏の過程で出る堆肥を活かして栄養分の高い土として循環させる、花苗事業も女性メンバー中心に行なっています。今では家族以外のメンバーも増え、地域の農業の担い手としてどんどんその輪が広がっているとのこと。そんな伊万里の地に根差した百姓屋がつくるヤマンドリシリーズと、その材料となる骨太有明鶏について、生粋の佐賀っ子アナウンサー・橋爪和泉さんと取材してきました!

PROFILE

市丸初美さん/百姓屋

株式会社百姓屋代表取締役。佐賀県農業士会副会長。伊万里グリーン・ツーリズム推進協議会副会長。平成6年、夫の退職を機に、夫の両親が営んでいた養鶏業を夫婦で継承する。同時に花木栽培を始め、後に花苗生産に転換。花苗部門の責任者となる。平成20年に直売所「百姓屋」をオープン。鶏肉加工品を販売するほか、花苗の販売も行っている。女性が輝きながら働く農業の功績が認められて、農林水産大臣賞、内閣総理大臣賞を受賞。

自然豊かな山間に建てられた鶏舎で無薬の養鶏にこだわる

佐賀県伊万里市波多津町の自然豊かな山間を入っていくと、百姓屋の大規模な鶏舎があります。平成6年に夫・道雄さんの両親から養鶏を引き継いだ当時は、鶏舎6棟で10万羽からスタートしたそう。かまぼこ型の古い鶏舎に加え、最新式のコンピューター制御のウィンドレス鶏舎を導入し、現在では10棟が稼働。日々の努力が実り、年間約70万羽を飼育するまでに成長しました。

百姓屋が育てているのは、佐賀県の銘柄鶏「骨太有明鶏」。透明感のあるピンク色で柔らかい肉質とあっさりとした味わいが特徴。脂身に透明感があり、臭みが少ないと評判です。

まず、飼育のポイントはオリジナルの餌にあります。カルシウム豊富な有明海の牡蠣殻などを配合したもので、骨が丈夫になり、健康に育つ効果があるそう。“骨太”有明鶏の名前の由来でもあります。

また、ブロイラー飼育では病気を避けるために使われることが多い抗生物質や抗菌剤を一切与えないのもこだわりのひとつ。その分、手間がかかりますが、気温や衛生状態、そして水など鶏が快適に健康に過ごせるように、常に心配りを欠かさないそう。

無添加にこだわり本場ドイツの伝統製法で美味しく加工

百姓屋が手塩をかけて育てた骨太有明鶏。その美味しさや品質を直接お客様に届けたい、とう思いで始めたのが「伊万里ヤマンドリ」シリーズでした。せっかく無薬鶏として育てたから、商品もなるべく無添加で作りたいと思い、パートナーとして選んだのは唐津市にある「燻や」でした。

燻やのオーナー・田部英雄さんは、ドイツズーファー国際食肉見本市金賞をはじめ、ヨーロッパの数々のコンテストで受賞歴のある燻製職人。伊万里ヤマンドリは、百姓屋の高品質な素材と燻やのこだわりの技術が合わさってはじめて完成する商品なのです。

燻やの工房は百姓屋から車で20分ほど。この日は特別に工房に入れてもらい、「お試しセット」の中からスモークチキンの製造工程を見せてもらいました!

まず、工房の冷蔵庫から取り出した骨太有明鶏の胸肉は、透明感のある美しいピンク色で輝いています。
「市丸さんのところの鶏肉は朝締めてすぐに運ばれてくるので、肉のハリや色合いが全然違います。嫌な脂身が少なく、ジューシーで肉質もとてもいいんです。無薬で育てているという素材の良さを生かすために、私たちも全て天然のハーブを使い、添加物なしの加工にこだわっています」と、燻やのスタッフも太鼓判を押します。

燻やさん:今日はスモークチキンを作る工程を見てもらいます。まず、朝締めたばかりの骨太有明鶏をすぐに仕込み始めます。一目見てもわかりますが、市丸さんの作る鶏は他とは全然違うんですよ。

橋爪さん:たしかに、きれいなピンク色ですね!

橋爪さん:一度にどれくらいの仕込みをするんですか?

燻やさん:だいたい14㎏ぐらいでしょうか。スモークチキンにする胸肉を、まず塩とハーブを混ぜた調味料を馴染ませて2日ほど寝かせて熟成させます。そうすることで旨みがギュッと濃縮されるんです。

橋爪さん:すぐにスモークするのではなく、まず下味をつけてから熟成させるんですね。

燻やさん:熟成させたものをスチームにかけてからスモークハウスにかけます。一度乾燥させてから、国産のブナと桜のチップで2時間じっくりと燻製器にかけます。その後、シャワーと急冷を経て完成です。

橋爪さん:燻製の香りがなんとも香ばしいです!こちらの加工も無添加だと伺いました。

燻やさん:市丸さんからは、「無薬鶏なので加工品も無添加でお願いしたい」というリクエストをいただいたので、ドイツの伝統的な作り方にこだわり、無添加で製造しています。骨太有明鶏の素材の旨みを生かした、美味しい仕上がりになっていると思います。

橋爪さん:見るからに美味しそう! 早くいただいてみたいです。

野菜やフルーツを添えてさらにご馳走感が増したヤマンドリを実食

百姓屋の直売所にて用意していただいたのが、「お試しセット」のローストチキン、スモークチキン、チキンソーセージに加えて、鶏の生ハムの4品。どれもそのまま食べて美味しいのはもちろんですが、フルーツや野菜、パンを添えることでおしゃれで気の利いた一皿に。風が心地よいテラスで早速試食スタート!

鶏肉の常識を覆す柔らかさとしっとり感にびっくり

「ローストチキンとスモークチキンはどちらもそのまま食べても美味しいのですが、サラダと一緒にいただくとよりチキンの旨味を感じることができました。鶏の生ハムは初めていただいたのですが、鶏の旨味と甘みが感じられて本当に美味しかったです。塩加減と甘み、旨味のバランスがとてもいいんです。豚肉と比べて臭みがないのにも驚きました。バゲットにクリームチーズと一緒に盛り付けると、素敵なオードブルになるんですね。フルーツとの相性も抜群!」(橋爪さん)

美味しく安全なヤマンドリができるまで、その秘密を伺いました

養鶏場、加工を担当する燻や、そして直売所を回った橋爪さん。ヤマンドリの美味しさについて市丸さんからお話を伺いました。

橋爪さん:伊万里の山の中にある養鶏場を、車の中からですが、見学させていただきました。敷地に入る際、車自体を丁寧に消毒することにまずびっくりしました。本当に細心の注意を払っていらっしゃるんですね。

市丸さん:とにかく病気には気をつけているんです。うちの鶏たちは抗生物質や抗菌剤を一切与えずに育てているので、外から病気の元になるウィルスを持ち込むのが一番怖いんです。一羽でも病気になったら、その鶏舎全体、ひいてはこのあたりで養鶏を営んでいる同業者の方々にも迷惑をかけてしまうことになってしまいます。

橋爪さん:基本的なことですが、とても大切なことなんですね。お話の通り、百姓屋さんの鶏は薬を使わずに育てていらっしゃいますが、具体的に他の鶏肉とはどんな違いがあるんですか?

市丸さん:まず見た目の特徴ですが、とてもきれいなピンク色をしています。脂身も黄色味がなく、透明感があって臭みがありません。衛生管理はもちろん、日々愛情をもって育てているので、しっとり柔らかい肉質で旨みもたっぷりです。シンプルに塩焼きにしたときに違いがわかると思います。

橋爪さん:餌にもひと工夫されているとか?

市丸さん:はい。牡蠣殻を混ぜた特別な餌で骨太に育てています。与える水も天然水ですし、とにかく鶏たちにストレスがないように気をつけていますね。

橋爪さん:だから他とは全く違う鶏になるんですね。先ほどお邪魔した加工を担当されている燻やさんでも市丸さんの作る鶏は肉のハリ、色合いが素晴らしいとおっしゃっていました。スモークチキンを作る工程を見学させていただいたんですが、作っているそばからとても美味しそうでした。

市丸さん:燻やさんは本場ドイツでも受賞経験がある職人さんなので、安心してお願いしています。せっかく無薬で育てた大切な鶏肉なので、加工する際にも無添加にこだわりたくて…。燻やさんで作るスモークチキン、ローストチキン、ソーセージは、おかげさまでリピーターもたくさんいらっしゃる人気の商品になっています。

橋爪さん:こちらでも試食させていただきましたが、本当に美味しかったです。どれもしっとりとジューシーで味わい深いし、パサつきも全くないんですね。しかも無添加で体にいいから安心です。

市丸さん:小さなお子さんからお年寄りまで、安心して召し上がっていただけるというのが一番の希望でしたので、これからもより多くのお客様に楽しんでいただけるよう、新しい商品を開発して頑張っていきたいと思っています。

養鶏の過程で出る堆肥を使った花苗事業も手がけている市丸さん。約1,600㎡のビニールハウスでパンジーやビオラを始め、年間60種類ほどの花苗を生産。堆肥を栄養分の高い土として循環させることでSDGsにも貢献しています。

橋爪さん:養鶏とは別に、百姓屋さんでは花苗事業にも力を入れていらっしゃるとか。

市丸さん:はい。養鶏をしていると堆肥が大量に出るんですよ。その堆肥を使って何かできないかと考えた末、花苗事業でも利用することに。栄養分の高い土のおかげで、パンジーやビオラなどの花苗が丈夫に育ってくれて評判もいいんです。今では娘たちが花苗部門を手伝ってくれています。

橋爪さん:ファミリーで養鶏と加工品の販売、そして花苗の栽培とさまざまな事業を手掛けていらっしゃるんですね。それができるのも、ご家族皆さんが仲良しだからこそですね!

市丸さん:長男は中学時代から養鶏を志し、娘たちも東京農大で学んで地元に帰ってきてくれました。夫婦二人で一生懸命やってきたことを見ていてくれていたようで、それがとても嬉しかったです。これからも若い人が働きやすい環境を整えて、もっともっと農業が注目されるようになったらいいなと思っています。

橋爪さん:安心安全でしかも美味しい、伊万里ヤマンドリの人気の秘密がよくわかりました。私もこれからたくさんお取り寄せさせていただきたいと思います。今日は本当にありがとうございました!

左から、市丸さんの長女・飯塚智美さん、市丸初美さん、橋爪和泉さん、長男のお嫁さんの市丸香代子さん、市丸さんの次女・谷口未佳さん。

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撮影/吉澤健太 取材・文/志摩有子

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