紀伊半島
入場無料で散策できる「おかげ横丁」の町並み
紀伊半島の観光地として忘れてはならないのが、やはり伊勢神宮。そこに行くまでの賑やかでどこか懐かしい気分のする道のりが好き…という方も多いのではないでしょうか。地域開発で最先端をいくホテル以外にも、歴史ある雰囲気を残しているのが紀伊半島。令和に感じる”江戸の香り”をピックアップしました。
1993年に開業した、おかげ横丁
三重県に住む人で行ったことのない人はいない、というくらい地元ではなじみ深い「おかげ横丁」ですが、それもそのはず、このおかげ横丁があるのは伊勢神宮の目の前。お参りをしなくても、ここの雰囲気が好きで訪れる人がいるというくらいの人気スポットなんです。神宮の歴史は二千年ともいわれていますが、実はこの横丁ができたのはここ三十数年くらいのこと。きっかけは第二次世界大戦後の伊勢神宮への参拝客の激減でした。訪れる人が減ったことにより町の衰退を危惧する声からできあがったのが、このおかげ横丁だったのです。
江戸から明治期の伊勢路がテーマ
おかげ横丁に入場料はなく、約4000坪の敷地内に江戸~明治にかけての伊勢路の建築物が移築・再現されています。この中に三重の老舗の味、名産品、歴史、風習、人情までがぎゅぎゅっと凝縮されているので、この地方の魅力を一度に体感することができます。特に伊勢名物の赤福を使った夏季限定の「赤福氷」や、「豚捨」の揚げたて熱々コロッケなどは人気のグルメ。また、入口にはじまり、おかげ横丁のいたるところに招き猫が。これらは横丁商店猫と呼ばれ、招き猫作家もりわじん氏が手がけています。
江戸の人口の半分が身に着けていたという松阪もめん
おかげ横丁内で美しい藍色を放っているのが「松阪もめん」の専門店。この松阪もめんは、今も残る江戸時代に大流行した工芸品で、三重県松阪地域の名産品として有名な反物です。その特徴は遠目から見ると無地のように見えて、近づいてみると様々な縞柄模様が浮かびあがってくる生地。当時、江戸では華美な着物を堂々と着られなくなっていたこともあり、これが粋でおしゃれだとして、人気を集めたといわれています。
レンタル着物や小物で手軽に江戸っ子を体感
松阪市には今もかつての面影が残る町並みが豊富。着物をレンタルして松阪城跡を歩くもよし、伊勢に戻っておかげ横丁内の松阪もめん専門店で現代風にアレンジした小物を購入するもよし、ちょっとした江戸っ子ムードに浸るのがおすすめです。
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※価格などの情報は取材時のものです。