江能倉橋島
温もりに溢れた機械に囲まれて生み出される”新”広島名物
催事の時に持って行くという小型の実演用機械。これで上田さんもぽんカル作りを試してみることに。一瞬ででき上がるということは目の前で見ていたものの、どうしても少し長めにプレスしすぎてしまい、澤野さんに教わりながら何度か練習を重ねます。
上田さん:工場の機械のコンパクトさに驚きましたが、この実演機もまた小さいですね。
澤野さん:100V300Wで約2kgと小さいです。スーツケースに入る大きさに設計しました。
上田さん:美味しいことはもちろんなんですが、作り上げたご本人である澤野さんが考える「ぽんカルの魅力」とは何でしょうか?
澤野さん:一切調味料など何も加えずに作っているので、素材の持ち味を最大限発揮させているという点です。そして、食品添加物を含んでいないので安心ですし、栄養素がそのまま残った食品となっています。
上田さん:ぽんカルの「ぽん」はぽん菓子からきてますよね。では、もしかして「カル」は……?
澤野さん:栄養ってヒントで分かりました? 「カル」はカルシウムです。天然素材100%、無添加、自然膨化発泡食品なので、栄養にも自信があります。
上田さん:美味しいのに栄養素まで! しかも揚げていないのでヘルシーというのがまた嬉しいです。この熱い板同士で挟むだけで、”ぽんっ”とでき上がるのが本当に不思議です。
澤野さん:油はどうしても酸化しますし、そうすると体によくないので使いません。素材に含まれている水分を水蒸気に変えて、その水蒸気の力で膨らませて薄く広げています。
上田さん:ぽんカルの機械は澤野さんが作ったんですよね。
澤野さん:そうです。特許取得した弊社独自の「ぽん機っ機」。
上田さん:可愛い名前ですね(笑)。こちらにお邪魔する前にいただいて食べてみましたが、1日で食べ終わってしまいました。
澤野さん:鉄板にも食用油は使用していないので、本当に素材そのまま。無添加だから、賞味期間は75日なんです。
上田さん:プレスするだけでこんなにきれいで薄いぽんカルができあがるなんて。
澤野さん:プレスはしていますが、単にプレスしながら焼いているというわけではなく、1秒以下の一瞬で膨張させているんです。見ただけではわかりづらいと思いますが、実はお好み焼きのノウハウが生かされているんですよ。
上田さん:お好み焼きのノウハウ…! なんだか急に身近に感じます(笑)。わあ! これ、うまくできていませんか? なんだかコツがわかってきた気がします。
澤野さん:上手ですよ。透けるくらいの薄さがポイントなので、長く押しすぎないことですね。ちょっと体重を乗せる感じでプレスしています。
上田さん:澤野さんは、目標ややりたいことを見つけてはそれをクリアしてきていますが、今後の夢はありますか?
澤野さん:あります。もうすでに動き出しているんですよ。実は養蜂にも力を入れていて、群数を増やす計画中なんです。本当に美味しい国産の蜂蜜は意外とほとんどなく、新米の私が採っている蜂蜜でも美味しいと言ってもらえるんです。その蜂蜜をメインにしたお菓子を作ろうと考えています。
上田さん:蜂蜜! 先ほどひと口いただきましたが、たしかにすごく美味しかったです。どんなお菓子なのか気になります。
澤野さん:まだ秘密ですが名前だけ決まっていて、「QTハニー」という名前なんです(笑)。
上田さん:可愛いです(笑)。楽しみにしています。
「町内唯一の海水浴場で下蒲刈島に通じる安芸灘大橋も見ることもできます。穏やかな海で、白い砂浜が美しいんです。すぐそこにあるキャンプ場は桜の名所です」(澤野さん)
ねっかけんサワノ
広島県呉市音戸町波多見6-5-9
TEL0823-51-2989
おつまみ? お菓子? トッピング?……ぽんカルのいろいろな楽しみ方
ビール×ピリ辛ちりめん=オーソドックスなおつまみ ごはん×ちりめん=お箸が進みます おかゆ×貝柱=ちょっぴり高級な中華がゆ風 日本酒×海老=ひれ酒気分で 焼きそば×海老=東南アジア風味にバージョンアップ
天然素材100%&無添加の「ポンカル」。もちろん、そのままパリパリと食べても美味しいですが、様々なアレンジもできるようです。
上田さん:いちばん人気の味はどちらになりますか?
澤野さん:ちりめんと貝柱です。中高年の方は貝柱、お子さんはちりめんを好まれる気がします。
上田さん:たしかにおつまみとしても美味しそうですね。
澤野さん:ビールにはピリ辛のシリーズが合いますね。ご飯にちりめんは王道の組み合わせなので、やはり「透かしちりめん」がぴったり。おかゆに「透かし貝柱」を乗せるというアイデアは、中国の研修生からヒントをもらいました。「鹹豆漿(シェンドウジャン)」のような感覚だそうです。日本酒には「透かし海老」を入れると、ひれ酒のように。焼きそばのトッピングにはどれも合いますが、私は海老がおすすめですね。
上田さん:そのままおやつとして食べるだけでなく、色々なアレンジも楽しめるんですね。ご飯とちりめんは安定の美味しさ。老若男女楽しめそうなのでお土産にぴったりですね。
江能倉橋島半島地域に点在する橋を渡って問屋さんへ
江能倉橋島半島地域にかかる象徴的な橋「第一音戸大橋」を渡り、問屋「オカダ」さんへ。
呉市内の問屋さん「オカダ」でちりめんを試食しながら厳選。 「オカダさんのちりめんを信頼しています」と澤野さん。
「澤野さんはこだわりが強いから、気に入ってもらえそうなちりめんを用意しておきました」という岡田さんの言葉に、さっそく各箱のちりめんを味見。「ぽんカルにする過程で水分が飛ぶと塩味が強めに出てくるので、しょっぱくないものを選びます。白くて小さめのちりめんがベストです」(澤野さん)
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※価格などの情報は取材時のものです。
撮影/中川正子 取材・文/柿本真希