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スペシャル記事

女優・黒谷友香さんの“房総半島暮らし”。
東京との気負わない距離感が約25年以上続く、幸せな二拠点生活の秘訣

今では頻繁にフォーカスされるようになった二拠点生活。女優の黒谷友香さんが、東京と房総半島を往来する暮らしを始めたのは約25年以上前。「暮らすほどに楽しくなる」という、房総半島の魅力を語ってもらいました。

乗馬をきっかけに気づいた、自分らしさ。「自然と馬と触れ合いながら暮らしたい!」

20歳のころ、房総半島の海沿いで乗馬を初体験。そのときに知り合った方々が“人と動物と植物が共存する暮らし”という理念で乗馬倶楽部を手作りしていたので手伝い、自分の馬を迎えて乗馬を始め、20代前半で房総半島に一軒家を購入しました。一瞬でグッと心掴まれた理由は、やんちゃに育った幼少期にも関係があるのかなと。生まれ育った場所は大阪でも畑や田んぼのある長閑な地域で、一日泥んこになって遊んでいました。夏休みには母の田舎の瀬戸内に行き、思いきり海遊び。海と緑に囲まれ、動物や植物と触れ合う房総半島でのひとときに幼い頃の楽しい思い出が蘇り、自分とフィットする心地よさを感じたんだと思います。でも、私にとっては仕事を集中して頑張るための“東京”というステージも大切。どっちかだけという選択肢はありませんでした。東京での緊張感があるからこそ、房総半島での自然豊かな囲まれた暮らしに癒され、そのありがたさに気づくことができる。車で1時間半という無理のない距離感で“どちらも満たされる房総半島”だから決断できた二拠点生活だと思っています。

馬のお世話、DIY、ガーデニング、リノベーション、仕事では関わることのない仲間たちとの交流など。約2年前から仲間と元保養所だった施設のリノベーションを始めてからは、やりたいことがさらに湧いてきて、休日だというのにかえって忙しいくらい(笑)。東京では使わない脳をいろんな作業で働かせることで、自分の世界が明らかに広がっていく実感があります。都会のような便利さはないけれど、自分たちでイチから生活を作り上げる充実感を得ることができる。夜には季節を告げる虫の鳴き声が最高のBGMになり、日中の肉体労働の疲れも手伝って夜はぐっすり。東京と房総半島の二拠点生活は、便利な時代になったからこその必要なものがある“未来を生きるライフスタイル”だと思っています。

600坪の元保養所を仲間たちとリノベーション。「“シャトー”の内装も庭も、ほとんどが手作り」

この建物を“シャトー”と呼んでいるんですが、15名ぐらいのメンバーでリノベーション。建物の1階をスタジオにしようと大きな鏡を貼ったり、庭の通路や菜園、バーベキューコンロや水場など、少しずつメンバーと一緒にDIY。水場のタイルには使い終えた蹄鉄を埋め込んだり、愛着ポイントがいたるところに(笑)。プロに頼らず、YouTubeとかを見ながら手をかけて作ったという思い出も、房総半島生活がどんどん好きになる理由のひとつです。

庭は、ターシャ・テューダーのナチュラルガーデンを参考に。無心で草むしりをしているだけでも、すごくリフレッシュできます。紫蘇、チコリ、セージ、ローズマリー、タイム、カモミール、スープセロリ、チャイブ、いちじく、エキナセアなどなど。サラダ、お茶、料理、アロマ用など、ざっくりとエリアを分けて育てています。最近育て始めた紫蘇は、馬糞堆肥を混ぜた土を使用。生命の循環、リサイクルです。私の自宅ではスペース的にむずかしく、このシャトーでようやく実現。馬糞には土を変える力があるみたいで、成長が早い気がしますね。紫蘇を狙ってやってくるオンブバッタと日々格闘中です(笑)。

愛馬・ヨモちゃんとの時間が一番幸せ。房総半島での出会いで大きく人生が変わりました

写真/黒谷友香さんご提供

馬とのコミュニケーションは言葉を使ってではなく、心と心の繋がりによるもの。私が行くと鼻を鳴らして喜びを伝えてくれたり、お世話をするほどに向こうからの愛情も伝わってくる。ヨモちゃんに乗ったり、触れ合ったりしていると、心から「幸せだなー」と感じるんです。海に緑、美味しい食材に、愉快な仲間と愛すべきヨモちゃんがいる。20歳で訪れた房総半島との“運命の出会い”、この暮らしを長く楽しめる人生は本当にラッキーだなと思います。

  • PROFILE
  • 1975年生まれ、大阪府出身。19歳で映画「BOXER JOE」に出演し、女優活動を開始。以後、映画・ドラマ・CM・雑誌等幅広いジャンルで活動。20代前半で房総半島に一軒家を購入し、東京との二拠点生活をスタートさせ、現在まで25年以上続けている。2022年6月、「ペニンシュラ応援大使」に任命。半島地域の活性化のため、イベントなどで活躍中。
  • 公式サイト
  • http://www.spacecraft.co.jp/kurotani_tomoka/

撮影/嶋野 旭 ヘア・メーク/Nico スタイリング/越水史子 取材・文/櫻井裕美

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