宇土天草半島
心がゆっくり解きほぐされる
風と波によって描かれた曲線美の砂紋が現れる「御輿来(おこしき)海岸」、海の中に建つ鳥居が幻想的な「永尾剱(えいのおつるぎ)神社」、樹齢数百年と言われている「西平椿公園のアコウの木」……言葉を失う圧倒的な美しさは訪れる人を別世界へいざないます。
世界中のフォトグラファーの聖地「御輿来海岸」
干潮時に現れる波のような砂が幻想的な「御輿来(おこしき)海岸」。夕暮れ時の景色は自然がつくる芸術作品と言っても過言ではない美しさ。年に10日あまりと言われる絶景日には、世界中から数百人というフォトグラファーが訪れるほどの人気撮影スポットです。
干満の差が日本一激しいここ有明海では、潮が引いた際に波と風によって「砂紋(さもん)」と呼ばれるさざ波のような規則的な形をした砂地が現れます。事前にHPをチェックして、干潮の時間に合わせて行くのがおすすめです。 「日本の渚百選」や「日本の夕陽百選」に選定された景勝地でもある御輿来海岸。夕暮れどきの柔らかで美しい曲線美には心を打たれます。ちなみに例年2~5月頃に10日前後といわれる「絶景日」ですが、今年はわずか5日だったとか。 御輿来海岸に行くついでに寄りたいのが「道の駅宇土マリーナおこしき館」。地元でとれた旬の海鮮や果物が販売されています。食堂も併設され、 目の前で調理される海鮮丼(¥1,800)はフレッシュで食べ応えありの一品です。
海に浮かぶ鳥居が幻想的「永尾剱神社」
神様がエイに乗って来たという伝説が残り、神殿内にはエイの絵が飾られている「永尾剱(えいのおつるぎ)神社」。神社の目の前にある海の上に鳥居が、そしてそれを挟むように2つの灯籠が手前に建ち、水面に映る景色は神秘的です。
今から約1300年前の和銅6年に創建された「永尾剱神社」。祭神は海童神(わだつみのかみ)と伝えられ、神様を乗せた巨大なエイが海から山を乗り越えられず、ここに鎮座したといわれています。胃腸が弱い人にご利益があると、近隣からの参拝者も多く訪れます。 鳥居は時間によってさまざまな表情を見せてくれます。夕暮れ時には空と海がピンクやパープルのグラデーションカラーに染まり、幻想的な風景に。日が暮れるころにはだんだんと深いブルーに変わっていきます。変わりゆく色をゆっくりと眺めるのもおすすめです。 「永尾不知火・海の火まつり」では毎年9月に鳥居を囲むように約1,200発の花火が打ち上げられます。この花火は九州の海で秋季の限られた夜間でしか見られない光の屈折現象「不知火」に因んで開催され、半円状の花火は夜の海に反射して美しい円を描きます。
- 永尾剱神社へのアクセスはこちら
映画のワンシーンを思わせる神秘「西平椿公園のアコウの木」
映画のワンシーンを切り取ったような高さ約20mのアコウの木は西平椿(にしびらつばき)公園にある人気のパワースポット。この公園は、東シナ海を一望できる絶景夕陽スポットとしても人気があります。
大きな岩をしっかり掴むように根を張るアコウの木。根元から見上げると迫力満点です。アニメ『天空の城ラピュタ』に出てくるような神秘的な姿を眺めていると、マイナスイオンを浴びていつの間にか心穏やかに。 「日本の夕陽百選」にも選ばれている西平椿公園から眺める夕陽は格別。先端から2つに裂けたような小ヶ瀬の岩の向こうに太陽が沈んでいく瞬間は圧巻です。またこの辺りには美しい珊瑚が広がっています。 もう一つ訪れたいのは、「おっぱい岩」。海水の力によってつくられた直径約1.5mの変形岩は「胸が大きくなる」「母乳がたくさん出る」などのご利益があるといわれ、干潮時に現れるパワースポット。思わず写真を撮りたくなる場所です。
※価格などの情報は取材時のものです。