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明治から続く老舗で和菓子作りを体験してみました!

金澤寿翁軒では和菓子の販売だけでなく、地元をもっと好きになってもらいたいという思いで始めた和菓子作りの体験もできるんです(※要予約)。今回は甘いもの好きの風尾さんに、フルーツ大福作りに挑戦してもらいました。

まずは、米粉と餅粉にグラニュー糖を合わせたものに水を少しずつ加えて滑らかになるまで練ります。加える水の量は季節によって変わるそう。初めての和菓子作りに風尾さんは興味津々。最初はおっかなびっくりで始めた風尾さんでしたが、金澤さんからアドバイスをもらいながらしっかり混ぜられるように。

滑らかに混ざった生地を、さらしを敷いた木箱に流し入れて14分間蒸し上げます。創業は明治40年という歴史ある金澤寿翁軒には、作業場に昔ながらの古い道具もたくさん。あんこを炊くための薪を使った煉瓦製の竈門も目を引きます。もうもうと蒸気を上げる蒸し器で滑らかな餅が出来上がるのを待ちます。

今回の大福の中身は、贅沢にもシャインマスカットを使用。シャインマスカットの淡い色味と爽やかな風味を生かすために、あんこは上品な白あんをチョイス。「あんこは薄いほうがシャインマスカットをしっかり味わえて美味しいので、厚ぼったくならないように包むのがコツです」と金澤さん。「シャインマスカットと白あんの相性が気になります。早く食べてみたい!」と、シャインマスカットが大好物だという風尾さんは早くもワクワクが止まらない様子。

蒸し上がった餅をボウルに移してしっかり練ります。練り棒を使うのは意外に力が必要。「お餅に弾力があるのでなかなか上手に練るのは難しいです」と苦戦する風尾さんも、金澤さんに手伝ってもらって滑らかに仕上がりました。

練り上がった餅を、間髪入れずに片栗粉を広げたところに移して、いよいよ成形。放っておくと餅が硬くなるので、ここからは時間との勝負です。まず金澤さんがざっくりと切り分けてくれた餅を、手のひらに薄く広げて、白あんにくるまったシャインマスカットを包み込みます。

「わぁ、難しい! あっという間にお餅が固くなってしまう」と四苦八苦する風尾さん。「焦らなくても大丈夫。少しぐらい形が悪くてもうちのあんこは美味しいから美味しくできます(笑)」と金澤さん。何個か作っていくうちに上手に包めるように。最後には「おー、いいですね。忙しい時には手伝いに来てもらおうかな?」と太鼓判を押してもらいました。

出来立てほやほやの大福を早速試食!

出来上がったシャインマスカット大福は、淡いグリーンが透けて見える上品で爽やかな見た目。出来立ての餅の柔らかさとマスカットのジューシィさのコントラストが最高です。自分で作った大福を早速ひと口頬張って、その美味しさに大満足の風尾さんでした。

「プチっとはじけるマスカットと、もっちりと柔らかい大福。白あんが控えめで馴染んでいるので、マスカットの果汁の甘さを引き立てています。自分で作ったと思うと、何倍も美味しくて自然と笑みがこぼれました。食べるのがもったいなかったです…」

風尾さん:今日はありがとうございました。和菓子を作るところを初めて拝見して、さらに体験もさせていただいて、とても楽しく勉強させていただきました。

金澤さん:お疲れ様でした。上手に作れていましたね。自分で作ったものは美味しいでしょ?

風尾さん:はい! 甘いものが大好きなのでとても幸せでした。ところで今日見せていただいたアイスくずバーですが、どういうきっかけで作られたのですか?

金澤さん:新型コロナウィルスの影響でイベントが軒並み中止になり、観光客も激減して、売り上げも下がっていきました。また、近隣のフルーツ農家さんもフルーツ狩りなどができなくなり深刻な状態だと知って…。4年くらい前から、新しいお菓子としてフルーツと葛を使ったアイスバーを考えていたのですが、こんな状況を少しでも盛り上げていけたらと、フルーツ農家さんから季節ごとのフルーツを大量に仕入れていろいろな種類のアイスくずバーを作るようになりました

風尾さん:それが人気の商品になるなんて素晴らしいですね。今日拝見して、全て丁寧に手作りされていることを知ってびっくりしました。だから素材そのものの美味しさを味わえるんですね。

金澤さん:フルーツそのままの美味しさを味わってもらいたいので、できるだけ手を加えずに作っています。葛はスーパーフードと呼んでいいくらい、さまざまな健康成分が詰まった植物。「葛もち」「葛きり」など、伝統的な和菓子でも古くから使われていました。卵や牛乳、小麦粉などを使っておらず、葛とフルーツだけで作っているので、低カロリーでとてもヘルシーです。

風尾さんダイエット中でも安心して食べられますね。凍っているときはシャリシャリして、しばらくすると少しずつ柔らかくなって、プルンとした食感になるのが新鮮でした。まさに新感覚のお菓子ですね。

金澤さん:ありがとうございます。一度食べると気に入ってリピーターになってくれる人が多いんです。とにかくフルーツの新鮮さにはこだわっているので、季節ごとに旬の味を楽しんでもらいたいですね。

風尾さん:アイスくずバーも美味しかったのですが、和菓子作り体験もとても楽しかったです。普段のお仕事も大変なのに、和菓子作りをわざわざ教えてくださるなんて。

金澤さん:近くで宿を経営している幼馴染みからの提案で、この場所をもっと魅力的に感じてもらえるようにと協力しようと始めました。作ってもらったお菓子と一緒にお茶を点てて味わってもらうのですが、喜んでもらえるとやっぱり嬉しいですね。忙しい時にはお受けできないこともあるのですが、できる限り続けていこうと思っています。

風尾さん:ぜひ、ずっと続けてください! 今日は大福だけでしたが、どら焼きも作ってみたいです。甘いものが大好きなので、美味しい和菓子を自分で作る体験ができるのは本当に嬉しいです。またぜひ、お邪魔したいです。

金澤さん:それは嬉しいです。お店が忙しい時に手伝いに来てくださいね。

風尾さん:はい!もちろん、喜んで伺います(笑)。

取材の最後にお店の前で記念撮影。左からお母様の慎美さん、お父様の成治さん、風尾さん、そして孝則さん。

まるで日本じゃないような景色が広がる絶景スポットの宝庫

和歌山県のほぼ中央に位置する由良町は、東は緑の山々に囲まれ、西は紀伊水道に面した豊かな自然が広がる町。その西側にある和歌山県立自然公園「白崎海洋公園」の海岸線は、“日本のエーゲ海”とも称される絶景ポイント。白の海岸と群青色の海のコントラストが息をのむほどドラマティックな景色です。

駐車場の入口から見える岩々がそびえ立つさまは、異世界に入ったような驚きがあります。展望台に続く階段をのぼるとその驚きは感激に! キラキラ輝く瑠璃色の海と真っ白な岸壁が眩しくて、まさにパワースポットと呼ぶのにふさわしい風景です。

この白く輝く海岸は、人類が地球に誕生するさらに昔、約2億5000万年前にできたものだといわれています。岬全体が白い石灰岩でできており、今でもフズリナやウミユリなど、古代の化石が至るところで発見されているそう。地球誕生の神秘に触れることができるこの白い海岸線を眺めながら、岩に当たる波の音、強く吹く風を体で感じて清々しい気分に。

「観光だけではなく、ウェディングフォトやマタニティフォトにも大人気の場所とのこと。真っ白な岩と青い海をバックに撮影すると、奇跡の一枚が簡単に撮れること間違いなし。また、夜は星がきれいなので、ぜひ併設されているオートキャンプ場で、昼間とは違った雰囲気を楽しんでみてください」(風尾さん)

和歌山県の景勝地、和歌の浦にある「雑賀崎(さいかざき)。近年、その景観は日本遺産「絶景の宝庫 和歌の浦」を構成する絶景のひとつに数えられているほか、階段状に広がる家々が、イタリアのアマルフィのようだと注目を集めています。ちょっとノスタルジーな風情の漁師町・雑賀崎の斜面に家屋が密集した独特の景観は、諸説ありますが、一説には大切な船の様子を家から見守るためであったともいわれています。また、平成31年にイタリア・アマルフィ市長を始めとする訪日団が来和してから交流が始まり、今も続いているそう。

「写真で見たアマルフィにそっくり!手前に広がるマリンブルーの海、奥に立ち並ぶ家々のコントラストが綺麗で、日本にこんな素敵な場所があったとは…。とはいえ、和歌山らしい港町の景色でもあるので、どこか懐かしくて穏やかな気分になりました。和歌山にいて海外旅行の気分が楽しめる特別な場所ですよね」(風尾さん)

「和歌浦天満宮」は学問の神様、菅原道真公を祀った、太宰府天満宮、北野天満宮と共に日本三官廟のひとつに数えられています。伝承では、延喜元年(901年)菅原道真公が太宰府に向かう途中、海上の風波を避けるために和歌浦に立ち寄った際に、「老を積む身は浮き舟に誘はれて遠ざかり行く若和歌の浦波」「見ざりつる古しへまでも悔しきは和歌吹上の浦の曙」の二首の歌を残して旅立ったと伝えられています。

急傾斜の長い階段を登り切って振り返ると、眼下には和歌浦の海と街並みを一望できる絶景が広がります。学問の神と言われる菅原道真公を祀っていることから毎年多くの学生たちが訪れるそう。

「石段を登った先に見える和歌山の絶景! 楼門の中に和歌浦の街並みと海を一枚の絵に収めたような、芸術性あふれる景色にドキドキしました。ごつごつした石段も、味があってかっこいい! 楼門から見る景色はもちろん素敵ですが、石段をのぼる前に見上げる和歌浦天満宮も、青空をバックにそびえたつ姿が荘厳な空気をまとっていて素敵です」(風尾さん)

プレゼントキャンペーン開催中!

「アイスくずバー」(3種類・9本入り)を合計3名様にプレゼント!下記応募要項をご覧いただき、ふるってご応募ください。

応募要項はこちら

撮影/福本和洋 取材・文/志摩有子

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伝統を守りながら、新しいことに挑戦する老舗和菓子店で新感覚のアイスくずバー作り

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