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高知県のロングセラー「羊羹ぱん」こだわりの作り方

昭和26(1951)年、高知県宿毛市で創業した「菱田ベーカリー」の看板商品が「羊羹ぱん」。名前からは味の想像がつかないですが、宿毛の人々はもちろん、高知県内全域でも広く親しまれているご当地の味です。あんぱんの表面を羊羹でコーティングする製法が名前の由来。昭和40年代から続くロングセラーで、こしあん、抹茶、ゆず、紫芋、栗などバリエーションも豊富に揃います。パンと羊羹を組み合わせたユニークな商品はどのようにして誕生したのか、製法の秘密とは…? 高知さんさんテレビのアナウンサー・正木麻由さんとともに「菱田ベーカリー」を訪ねました。

ただのあんぱんだと思ったら大間違い。心温まる手作りスイーツ

ちょっと珍しく目を引く商品でも、味がおいしくなければ、長く愛される商品にはなりません。「菱田ベーカリー」の羊羹ぱんは、羊羹なしでももちろん美味しいあんぱんを作るところからスタートします。

PROFILE

菱田 仁さん

高知県宿毛市出身。ホテルマンを経て、「菱田ベーカリー」の四代目にあたる菱田理砂さんとの結婚を機に入社し、製パン業の世界に。以来、三代目社長・菱田征夫さんの右腕として、羊羹ぱんなどのロングセラー商品を“記憶に残る味”としてリブランディングしてきた。ホテルマン時代の経験も生かし、“商品づくり=サービス”と捉え、「菱田ベーカリー」の商品と味を全国区にした。

しっとりとした生地は、発酵にしっかり時間をかけているから。地元の製餡所から仕入れる上質なあんこを使用し、生地とほぼ同量を手作業で生地につつみ込みます。繊細な生地と滑らかなあんこのバランスがよい、シンプルなあんぱんが味のベースです。

「菱田ベーカリー」の朝はとても早く、まだ夜が明ける前、午前4時から仕事が始まります。多いときで1日2,000個以上を製造する名物「羊羹ぱん」も朝一番から製造スタート。まず、ミキシングした生地を一次発酵させて約40gに分割。その生地にあんこを詰めていきます。あんこの量はパン生地1個に対し約35g。丸く成形後、二次発酵を経てオーブンへ入れて焼き上げます。焼き上がったあんぱんは、粗熱を取ってから羊羹をコーティングしていきます。あんこを包むのも、羊羹をつけるのも、ひとつひとつ手作業で行われています。

菱田さんの話に耳を傾ける正木さん

巨大オーブンで仕上げるパンづくりの要、発酵~焼き

「菱田ベーカリー」はかつて、学校給食用のパンを請け負っていた時代があり、幡多地域ではもっとも早く工場の機械化を進めたメーカーとしても知られています。広い工場内には、巨大な業務用オーブンが設えられた一角があり、多種多彩な商品が次々とオーブンに入れられて、香ばしく焼き上がります。羊羹ぱんの焼成は210℃で約8分。焼きたてでは、中のあんこの温度まで80℃の高温になるので、粗熱を取ってから次の工程に。

羊羹ぱんの命“羊羹コーティング”の現場

羊羹ぱんの製造の中でもっとも集中力を要する工程が、仕上げの羊羹コーティングです。この工程を率いるのは、菱田さんの妻、理砂さん。現社長を父に持ち、20歳の頃から製造に携わる大ベテランです。まずは羊羹ペーストづくりから。棒寒天を水で煮溶かして砂糖を加え、そこに羊羹を加えて弱火で火を入れながら溶かしていきます。さらにあんこを加え、全体が滑らかになるよう混ぜ合わせる。羊羹、あんこと糖分が加わるごとに焦げつきやすくなるので、つきっきりの作業になります。ホイッパーで持ち上げて、ゆっくりと垂れる硬さが仕上がりの目安。試しづけをして垂れ流れてしまうようなら、さらに煮詰めます。加えた寒天は、あんぱんに羊羹を纏わせる接着剤役。ただし、冷めると固まるので、コーティングには手早さも求められます。

理砂さんの作業を、固唾を飲むような表情で見守っていた正木さん。できたての羊羹ぱんを手渡されるや、満面の笑みで試食にかかります。まずはもっちり、しっとりとした生地の柔らかさを感じ、羊羹とあんぱんのバランスを確かめ、と真剣な表情です。感想を尋ねられると「羊羹ぱんはこれまで何度か食べてきましたが、焼きたては羊羹がまだ柔らかくて、より繊細な味わい。とても美味しいです」とのこと。

「名前のとおり、パンであり和菓子。両方のいいとこ取りで、牛乳をぐびぐび飲みながらでもよし、緑茶と合わせてじっくり味わうもよし、という唯一無二の味ですね」(正木さん)

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菱田ベーカリーのパンづくりへのこだわりをさらに掘り下げます→次のページへ

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※価格などの情報は取材時のものです。

撮影/吉澤健太 取材・文/佐々木ケイ

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