東松浦半島
玄界灘の絶景を眺めながら新鮮な海の幸に舌鼓
呼子町加部島の最北端にある「活魚料理かべしま」は、玄界灘の絶景を眺めながら新鮮な海の幸を楽しめる地元でも人気のお店。300メートルの沖合から汲み上げた海水で満たされたイケスには、地元で獲れた魚介類が満載。渡辺水産の穂州鯛もこちらのお店に卸しているということなので、早速注文。ぷりっとして甘みのある刺身、そして甘辛味の煮付けがとにかく絶品。あれだけ手間をかけて育てた鯛、納得の美味しさです。
そして、呼子といえば何をおいても食べたいのが新鮮なイカです。まずは活き造りが来ると、キラキラと透き通っていてなんともいえない美しさ。一目見ただけで歓声が上がるほど盛り上がります。刺身はコリコリと歯ごたえがありつつ甘さも十分。残りのゲソは天ぷらに。揚げたては驚くほどの美味しさで、これだけのために足を運びたくなるほどです。
かべしまで満腹になったら、少し足を伸ばしてのんびりと散歩しながら腹ごなしするのもアリ。車がやっと1台通れるくらいの一本道を進んでいくと、突然なだらかな牧草地が現れます。「杉ノ原放牧場」は島最北端に位置して、海に突き出た断崖の上にあり、玄界灘が一望できるスポット。タイミングが良ければ、放牧された牛たちがのんびり草を食んでいるところに遭遇できるかも。今回はドンピシャでした!牧草の緑と雄大な空と海の青のコントラストは、癒し効果も満点。
とろけるように柔らかで旨味たっぷりの佐賀牛を臨場感あふれる鉄板焼きで
1979年の創業以来、美食家たちを魅了し続けているのが、唐津にある和牛ステーキ専門店「キャラバン」。佐賀産の素材にこだわり、地元ならではの味を鉄板焼きで提供している人気店。橋爪さんも以前、取材で訪れたことがあるそうで、シェフと当時の話で盛り上がります。今回いただいたのは佐賀牛のA5ランクのお肉。いろいろな部位がさまざまな調理法で供され、驚きと同時に感動の連続!
初代の父の店を受け継ぎ、現在店で腕を奮っているのが二代目の河上彰範さん。精肉店に勤めた経験を持ち、その後、東京や福岡のホテルでも修行。肉の質を見極め、最高の美味しさを引き出すよう常に研鑽を忘れないことを心がけているそう。その結果、ミシュランガイド佐賀・福岡でも1つ星を獲得。
メインのステーキを焼く際にはアミューズメント的なパフォーマンスもあり、インスタ映えすること間違いなし! この店に初めて来ても常連気分を味わえるように、親しみやすいサービスを提供することがシェフのモットー。
「噛むのを忘れてしまうほど、しっとりと柔らかな和牛が口の中で解けます。温めたお皿でのしゃぶしゃぶや肉寿司などに続いて、メインはやっぱりステーキ。お肉の旨味たっぷりで大満足でした。お勧めに従って、追加でハンバーグを少しずつ。たくさんいただいたのに食後感が爽やかなのにも驚かされました」(橋爪さん)
壮大な玄界灘を見渡せる自然あふれるスポット
九州最西北端にある「波戸岬(はどみさき)」は東松浦半島に突き出た小さな岬。ここにある「海中展望塔」はぜひとも訪れたいスポット。陸地から86mの桟橋でつながれた塔は高さ20m、直径10m。海上デッキからは玄界灘の島々が見渡せ、階段を降りていくと水深7mにある24個の海中窓から、常時30種類以上の魚が遊泳する様子を眺めることができます。波戸岬一帯の海は暖流と寒流が混じり合うため、美しい熱帯魚を見られる場合も。風の強い日には閉鎖されてしまうので、開いていればラッキーぐらいの気持ちで訪れて。
写真スポットとして人気なのが、海中展望塔のすぐそばにある真っ白なハートのモニュメント。波戸岬は別名・ハート岬とも呼ばれ、恋人の聖地として認定されています。そして、岬の入り口付近には浜焼き小屋が立ち並び、香ばしい香りを漂ってきます。名物のサザエの壺焼きやアワビの磯焼きなどを楽しむことができ、焼き手によってキャラクターが違うので、リピーターとして通う人も多いそう。
撮影/吉澤健太 取材・文/志摩有子