男鹿半島
心揺さぶる圧巻の景色
秋田のウユニ塩湖といわれる「鵜ノ崎海岸」をはじめ、幻想的な紫陽花の景色が広がる梅雨時期の「雲昌寺」、夏限定で釜谷浜海水浴場に現れる砂の芸術「サンドクラフト」、高台のお寺から鐘をならし見渡す「大龍寺」の紅葉など、季節ごとに織りなす素晴らしい景色の数々はここでしか見ることのできない、まさに一見の価値ありといえる絶景です。
秋田のウユニ塩湖と名高い
奇跡の絶景「鵜ノ崎海岸」
南米ボリビアにある”死ぬまでに一度は見たい絶景”として人気のスポット「ウユニ塩湖」。この時期に行くのはなかなか難しいうえ、実際に行けたとしてもボリビアまでの平均所要時間は直行便でもなんと31時間以上! たどり着くだけでひと苦労です。しかし、男鹿市の「鵜ノ崎海岸」では、日本にいながらウユニ塩湖のような水鏡の絶景を見ることができるとひそかな話題になっています。
その日の状況や時間、潮の満ち引きによって、鵜ノ崎海岸が見せる顔はさまざまです。風のない多少雲がある天気で、波がなく、しかも小さな岩が隠れるくらいの水位の日が「ウユニ塩湖」のような鏡面絶景が見られる確率が高め。季節でいうと秋から冬にかけて比較的ベストショットが撮れるのだとか。 「日本の渚・百選」にも登録されている鵜ノ崎海岸。遠浅で、満潮でも歩いていけるほどの水位。そのため夏場は潮干狩りなどで親子連れが多く訪れます。水鏡の景色を見るのは日中がおすすめですが、夕方でも鏡面の景色を楽しむことができるので、せっかくなら2つの異なる絶景を見比べても◎。 鵜ノ崎海岸を楽しんだあとに寄りたいのが2020年の夏に鵜ノ崎海岸の向かいにオープンした「鵜ノ崎テラス」。漁師でもあるオーナーが獲った海産物からお土産までが揃っていて、オーシャンフロントのカフェではテラスで海風を浴びながら、磯焼などのランチやお茶などを楽しむことができます。 鵜ノ崎海岸から6㎞ほどの潮瀬崎で見ることができるのが「ゴジラ岩」。今にも口から火を吐きそうなゴジラの横顔を思わせるシルエットは迫力があり、まさに自然が創り出した芸術品。6月~9月限定で日中はゴジラ岩を巡る乗船時間30分ほどのクルージングも実施しているので、親子で楽しむのも貴重な時間です。
季節それぞれに見せる絶景は
四季が織りなす宝箱 ~前編~
前編の梅雨時期の「雲昌寺」のあじさい、後編でご紹介する夏季限定の「サンドクラフト」、「大龍寺」の紅葉…季節ごとに期間限定で魅せてくれる絶景は、初めて訪れる私たちに宝箱を開けたときのような驚きと感動を与えてくれます。
「雲昌寺」に広がる目の覚めるような群青の世界。境内の片隅にひっそりと咲いていた一株のあじさいを副住職が15年かけてゆっくりと大切に株分けして育て上げ、現在約1500株が一面に梅雨時期に咲き誇ります。ライトアップされた夜は幻想的な色彩を織りなし、妖艶な魅力を放ちます。 雲昌寺の階段を上ると広がるパノラマの景色。ここからは男鹿の漁港や街並みがあじさい越しに一望できるとても気持ちの良い場所です。あじさいの見頃は6月下旬から7月あたりなので、満開の時期に合わせて訪れたい場所。お寺では女性の病気にご利益があるといわれるあじさいの花びら入りのお守りも人気です。 雲昌寺の境内の中にはあじさいの拝観期間限定で「あじさいカフェ」を併設。あじさい色をした鮮やかな「あじさいティー」は添えられているレモン果汁を入れると、青からパープルへと色が変化。こちら、実はアンチエイジングなどが期待できる美肌ハーブドリンク。絶景とともに楽しみたい1杯です。
季節それぞれに見せる絶景は
四季が織りなす宝箱 ~後編~
釜谷浜海水浴場の「サンドクラフト」。期間限定の砂像は展示終了とともに崩されてしまうものなので貴重な芸術作品。「大龍寺」の紅葉同様、”その瞬間だけの美しさ”を味わえるのも大きな魅力です。
夏に訪れる際に行きたいのは、毎年7月下旬から8月末まで釜谷浜海水浴場に展示される砂の芸術「サンドクラフト」。水を含ませた砂をピラミッド型に積み上げ、コテやペインティングナイフで削って完成させるこちらの砂像、3m前後ある20基もの巨大な作品が海岸沿いに並ぶ景色は圧巻です。 期間中は夜のライトアップもあります。下から照らされるサンドクラフトは砂浜から浮かび上がるような幻想的な雰囲気。こちらの砂像のテーマは「解放」。頂上にある開いた扉から差し込む夕陽もとても印象的で、多くの人々を魅了しました。一定期間しか見ることのできない儚さも魅力なのかもしれません。 秋に訪れるならこちら、800年以上の歴史を保つ「大龍寺」がおすすめです。高台に位置するお寺で、鐘楼堂で鐘を突きながら見渡す紅葉は色彩が織りなす芸術。住職が解説をしながら一緒に回ってくださり、最後にお茶とお菓子をいただく時間は日々の喧騒から離れ、リラックスできるひとときです。
※価格などの情報は取材時のものです。