西彼杵半島
絶景オーシャンビューを独り占め
西海市を中心に、長崎県の西側に位置する西彼杵半島では、海を臨む絶景スポットが豊富に揃います。なかでもここでご紹介する3つの場所は、地元の方の特におすすめ! 五島灘の向こうに五島列島が並ぶ雄大な海をバックに、ほかでは撮ることのできない“映え写真”が撮影できるのはもちろん、心落ち着けて過ごせば、すっかりリラックスできて元気になれそうなスポットばかり。都会暮らしにちょっと疲れているようなら、ぜひ足を運んでみてください!
海の青、山の緑のコントラストが美しい「尻久砂里海浜公園」
晴れた日には、海の青と山の緑のコントラストが美しい風景が広がるこの海岸は、手つかずの自然が残るプライベートビーチのような雰囲気。「尻久砂里(しりくさり)」という変わった地名の由来は「景色があまりに美しかったため、お尻が腐るほど座ったまま眺めていた」ことにあるとか。いつごろから言われているのか不明ですが、地元の方は口をそろえて「生まれたころからこの名前だった」と言います。
海遊びはもちろんですが、キャンプ好きには併設されたキャンプ広場もおすすめ。近隣の市、長崎以外の他県からもキャンパーたちが集まるほどの人気で、その理由はやはり眺めのいい立地にあります。オーシャンビューのキャンプ場は日本でも珍しいですね。
公共の交通機関を利用するよりも車が便利ですが、わざわざ行く価値のあるスポットのひとつといえます。
自然を大切にしている公園なので、園内に飲食店などはありません。公園近くにある和食店「白扇」では季節に応じて、入荷があれば名物のくえ(要予約)が食べられるかも。また、2021年5月には徒歩圏内にビジネスホテルができたので、よりアクセスしやすくなりました。
寒くない季節は常ににぎわうキャンプ場。尻久砂里館という管理棟の近くに、炊事場、温水シャワー、トイレがあります。ちなみに、海を見下ろしながら砂浜と海と緑を写しこんで自撮りするのが、地元の方おすすめの撮影ポジション。
- 「尻久砂里海浜公園キャンプ広場」へのアクセスや詳細はこちら
西海市商工観光物産課 TEL:0959-37-0064 - 尻久砂里館 TEL:0959-22-0811
360°どちらを向いても美しい「北緯33度線展望台」からの眺め
市内でも有数の夕日撮影スポットだったので「風景としてだけでなくご自身を入れ込んだ写真を撮ってほしい」という思いで設置された、フォトフレーム型の自撮り台。カメラ、スマホ、どちらにも対応できる台というのが、うれしい心配りです。
全室オーシャンビューのホテルサンセットリゾートサキト(ちなみにこちらのホテル、北緯33度線上にある都市、カサブランカの雰囲気を取り入れたデザインです)のさらに先を行くと、円盤状になった展望台があります。そこを登れば目の前に360°ビューが広がります。 設置された世界地図には、同じ北緯33度線上の都市が表記されていて、ロサンジェルス(アメリカ)、カシミール(インド)、バグダッド(イラク)、カサブランカ(モロッコ)などが同じ緯度にあたるのがわかります。
西海市の北西には大島、寺島、蛎浦島、崎戸島が連なり、「ながさき サンセットロード(長崎県西部で、夕日、教会、橋などのビュースポットを生かした観光ルートや、地域のイベントの支援によって魅力を増進するという試み)」の一部に組み込まれるほど、景観の美しい場所です。
その最突端、崎戸島にあるのが「北緯33度線展望台」。見渡す限りの五島灘を臨むパノラマの眺めは壮観で、晴れると五島列島や平戸島がしっかり見えます。特に、五島列島の向こうに沈んでいく夕日は、ほんのひととき時間を忘れるほどの美しさなので、訪れたらぜひ狙ってほしい瞬間です。
2019年に設置されたフォトフレーム型自撮り台のおかげで、最近は20代~30代の若い女性観光客が増えたとのこと。ドライブがてらに立ち寄る方が多いため、カップルや女性同士で思い思いに撮影して帰るそうです。
- 「北緯33度線展望台」へのアクセスや詳細はこちら
大島大橋は西彼杵半島と西海市大島町を結ぶ全長1095mの橋で、平成11年11月11日の午前11時11分11秒に開通しました。橋のたもとにある大島大橋公園から撮影すると、晴れた日は青い海、青い空、山の緑と白い大島大橋の眺めが素晴らしいです。
近辺の飲食店では、蛎浦島にある「おくうら」は海鮮料理が有名で、なかでも伊勢海老料理が自慢です。また、毎年10~11月ごろに西海市で開催する「さいかい丼フェア(市内約15店舗が西海産の食材を使った自慢の丼をふるまいます)」にも参加しているので、シーズンに訪れる際はぜひ立ち寄ってみてください。
- 「おくうら」へのアクセスや詳細はこちら
- 長崎県西海市崎戸町蛎浦郷1948-1
- TEL : 0959-35-3975
- 営業時間 : 11:30~15:00(14:30LO)、18:00~20:30
- 定休日 : 水曜日
「日本一小さな公園」で過ごせる日本一贅沢な時間
西海市の瀬戸港から市営船かカーフェリーを使って約15分のところにある「松島」は、西彼杵半島の西に浮かぶ人口約800人の小さな島です。この島にある「日本一小さな公園」は、その名のとおり本当に小さな公園(約4メートル四方)で、柵に囲われた自然木でつくられたベンチと1本のシュロの木がぽつんとあるだけ。かわいい公園の名前は、住民たちが冗談交じりでつけたのが由来だそう。
小さいながらも青い海を一望できるこの人気スポットは、もともとは竹やぶだったそうですが、景色がいいから島の新名所にしたいという住民の熱い思いから、2002年に完成。ちなみにこの公園を造成する際に移植された初代のシュロの木は枯れてしまったため、現在のシュロの木は2代目です。
近隣の宿泊施設は、地域おこし協力隊が運営する「はえん風」「新屋敷」の2つがあり、食事もできます。2021年5月には、瀬戸港の目の前にジスコホテル西海ができたので、こちらも便利です。
波の音しか聞こえないほどの静けさも魅力。眺めは最高なので、晴れていれば季節を問いません。午後から夕方にかけての時間帯にいい写真が撮れますが、特に五島灘に沈む夕日は格別。ただし、カーフェリーを利用する場合、最終便の時刻ギリギリですのでご注意を。
ベンチは頑丈な自然木の丸太で作られていて、腰かけてみると視界すべてに海が広がります。右手後方には北緯33度線展望台のある崎戸島、その向こうに平戸の島影が見え、左に視線を移すと、江島、平島、五島列島まで見渡せる、なんとも贅沢なシチュエーションです。
- 「日本一小さな公園」へのアクセスや詳細はこちら
【近隣の宿泊と飲食その1】立派な木の看板が目印の「外平の宿 新屋敷」。流行の古民家ステイを堪能できるお宿です。移住してきたオーナーの原田さんが釣った魚の活け造りや畑で収穫したお野菜を使った料理が出され、いろりを囲んで島自慢の食事に舌鼓。宿には露天風呂があり、ゆったり過ごせます。
【近隣の宿泊と飲食その2】2020年、船着き場から徒歩5分の場所に、新屋敷と同時にオープンした民宿「本村素泊まりの宿 はえん風」。こちらは食事がつかない素泊まりのみですが、オール電化で自炊が可能。1棟貸切制なので、友だち同士で訪れれば気兼ねすることなく過ごせます。
※価格などの情報は取材時のものです。